退職を考えたきっかけは、「給与」と「人事」
転職サイト利用者が退職を考えたきっかけ
転職情報サイトの「エン転職」が、「退職を考えたきっかけ」に関するアンケートの結果を公開しています。
2017年5月にインターネットで行なわれたアンケートの回答者は、「エン転職」の利用者5,796人です。
「給与」と「人事」が原因
「退職を考え始めたきっかけ」の1位は「給与が低かった」です。
例えば「仕事量と給料が合っていない」(29歳女性)という意見です。
また、「何年いても給料が数万円しか上がらない上司を見て」(25歳男性)など、同僚や上司などを観察したコメントもありました。
2位は「評価や人事制度に不満があった」です。
評価や人事制度は「ミスの多い先輩が年功序列で昇進」(26歳女性)、「昇級試験では、上司に気に入られている人のみ合格し、能力は評価されない」(28歳男性)など、正当な評価が行なわれていないという不満が多いようです。
3位は「残業や休日出勤が多くて辛かった」でした。
退職の際の不安
「退職理由を伝えるうえでの不安」は、「次の職場が見つかるかどうか」が1位でした。
2位は「退職をいつ伝えるか」と「次の職場で上手くいくかどうか」が並びました。
回答には、現在の職場に関する不安と、自分の将来に関する不安とが入り混じっているようです。
退職の報告は上司が65%
ここからは転職経験者に限定して質問しています。
「退職を決めたときに、最初に会社の誰に報告したか」と聞いています。
1位は「上司」で、2位以下に大きく差をつけています。
たとえ、辞める理由が、その人であっても、直属の上司に最初に伝えるというのは妥当な方法でしょう。
退職を伝えるのは「希望日の1カ月前」
退職を伝えたタイミングは「退職を希望する日の1カ月前」が最多でした。
就業規則などでも、1カ月前の通知が義務付けられていることが多く、妥当なところでしょう。
2位以下は、「退職を決めたタイミング」と「退職を希望する日の2~3カ月前」が続きました。
「退職を決めたタイミング」という回答は、手続きのことなど考えず、発作的に「辞めます」と言ったのかもしれません。
しかし、普通の会社であれば、引き継ぎや有給休暇の消化など、いろいろな打ち合わせと手続きが必要なので、すぐには辞められなかったと想像されます。
退職を伝える際の注意
「退職を伝える際に注意したこと」の1位は「なるべく早めに伝えること」でした。
2位は「正直な退職理由を伝えること」、3位が「明確な退職の意思を伝えること」です。
「退職」という手続きは、自分と会社が協力しないとできない作業です。
また、退職する際の一番の目的は、自分が感じていることを伝えることではなく、後に尾を引かないように円満に退社することです。
実際に退職に向けて会社と打ち合わせをすることを考えると、「引き継ぎの準備について伝える」や「繁忙期を避ける」など、現在の職場に配慮することを心がけたほうがスムーズに退職できる可能性が高いでしょう。