1年で3万人以上の人口が減った「北海道」。地震の影響が出た「熊本県」
人口が減ったのは41都道府県
総務省が発表した2017年1月1日現在の人口データを使って、都道府県単位で人口の増減を見てみました。
なお、ここでは都道府県間の人口移動がわかりやすいように、日本人の人口を対象にしています。
2016年1月1日から、2017年1月1日までの1年間に、人口が減った都道府県は41ありました。
毎年3万人以上減っている「北海道」
人口が一番減ったのは「北海道」で、3万3千人も減少しました。
人口の増え方には、他県からの転入と他県への流出による「社会増減」と、生まれた人と死んだ人の差による「自然増減」があります。
「北海道」は、社会減と自然減の両方とも、一番多いのが特徴です。
そのため、人口減で2位の「新潟県」と比べても1.7倍もの人口が減少しています。
上のグラフ内の数字は、自然減と社会減の順位を10位まで示しています。
例えば、北海道は自然減、社会減とも「1位」なので、「1」と入っています。数字がない場合は、10位以内には入っていないことを示します。
この数字を見ると、1位の「北海道」から、「新潟県」「静岡県」「兵庫県」「福島県」までは、社会減と自然減のランキングの両方で10位以内に入っています。
少子高齢化が進んでいく一方で、他の県への人口流出も多いという危機的な状況です。
「熊本地震」が人口減に影響
一方、「秋田県」「茨城県」は、自然減は多いものの、社会減が一定の範囲に留まっています。
地域の魅力があり、一定の人口流入があることが推測されます。
逆に、「青森県」「熊本県」「岐阜県」は、自然減ではランキング外ですが、社会減が多くなっています。
県内経済などの理由により、県外への流出が多いと思われます。
ただし、「熊本県」は前年のランキングには入っていませんので、2016年の「熊本地震」による影響で、県外への転出が増えているのでしょう。
このように原因がはっきりしていれば、震災からの復興により、状況が好転する可能性が高いでしょう。
大都市圏でも油断できない
人口が減少した都道府県の順位を見ていると、「静岡県」「兵庫県」「茨城県」「岐阜県」など、大都市圏に近い県も入っています。
大都市圏では、郊外のベッドタウンから、中核地域のマンションなどへの移住が進んでいます。
比較的、立地に恵まれている県でも、その地域ならではの産業や魅力がなければ、今後の人口減少が早まることが予想されます。