1年で3万人以上の人口が減った「北海道」。地震の影響が出た「熊本県」

[2017/7/8 00:00]

人口が減ったのは41都道府県

総務省が発表した2017年1月1日現在の人口データを使って、都道府県単位で人口の増減を見てみました。

なお、ここでは都道府県間の人口移動がわかりやすいように、日本人の人口を対象にしています。

2016年1月1日から、2017年1月1日までの1年間に、人口が減った都道府県は41ありました。

毎年3万人以上減っている「北海道」

人口が一番減ったのは「北海道」で、3万3千人も減少しました。

人口の増え方には、他県からの転入と他県への流出による「社会増減」と、生まれた人と死んだ人の差による「自然増減」があります。

「北海道」は、社会減と自然減の両方とも、一番多いのが特徴です。

そのため、人口減で2位の「新潟県」と比べても1.7倍もの人口が減少しています。

グラフ右の数字は人口減少数 出典:データを基に編集部が作成

上のグラフ内の数字は、自然減と社会減の順位を10位まで示しています。

例えば、北海道は自然減、社会減とも「1位」なので、「1」と入っています。数字がない場合は、10位以内には入っていないことを示します。

この数字を見ると、1位の「北海道」から、「新潟県」「静岡県」「兵庫県」「福島県」までは、社会減と自然減のランキングの両方で10位以内に入っています。

少子高齢化が進んでいく一方で、他の県への人口流出も多いという危機的な状況です。

「熊本地震」が人口減に影響

一方、「秋田県」「茨城県」は、自然減は多いものの、社会減が一定の範囲に留まっています。

地域の魅力があり、一定の人口流入があることが推測されます。

逆に、「青森県」「熊本県」「岐阜県」は、自然減ではランキング外ですが、社会減が多くなっています。

県内経済などの理由により、県外への流出が多いと思われます。

ただし、「熊本県」は前年のランキングには入っていませんので、2016年の「熊本地震」による影響で、県外への転出が増えているのでしょう。

このように原因がはっきりしていれば、震災からの復興により、状況が好転する可能性が高いでしょう。

大都市圏でも油断できない

人口が減少した都道府県の順位を見ていると、「静岡県」「兵庫県」「茨城県」「岐阜県」など、大都市圏に近い県も入っています。

大都市圏では、郊外のベッドタウンから、中核地域のマンションなどへの移住が進んでいます。

比較的、立地に恵まれている県でも、その地域ならではの産業や魅力がなければ、今後の人口減少が早まることが予想されます。

[シニアガイド編集部]