スマホに届く「心当たりのないメールやSMS」に反応してはいけない
迷惑メールの事例が増えている
国民生活センターが、パソコンやスマホに届く、「心当たりのないメールやSMS(ショートメッセージサービス)」には反応しないように呼びかけています。
迷惑メールに関する消費生活センターへの相談件数は増えており、2016年は4万5千件を超えています。
また、当事者が60歳以上である割合は毎年増えています。
特殊詐欺に発展の実例
迷惑メールによるトラブルは、単に迷惑メールがたくさん届くだけではありません。
電子マネーカードを使った特殊詐欺や、個人情報の盗用が横行しています。
ここでは、窓口に寄せられたトラブルから、代表的な例を3つ紹介します。
【事例1】50代女性スマートフォンに懸賞アプリをインストールした。その後、アプリ内のスロットゲームをしたら、「賞金が当選した」と表示された。
賞金を受け取るための申し込みフォームに住所、名前、メールアドレス等の個人情報を入力して送信したら、迷惑メールが大量に届くようになった。
メールアドレス等が漏れてしまったのだろうか。迷惑なのでやめてほしい。
【事例2】60代男性2週間前、スマートフォンに大手通販会社の名前で、有料サイトの料金が未納になっているとSMSが届いた。
身に覚えはなかったが、連絡しないと法的措置を取るとあったので電話したところ、2年前に登録されており、無料期間終了後の料金約19万円が未納になっていると言われた。
不審に思ったが、保険を使って90%が返金されると言われた。4軒のコンビニで分散してプリペイドカードの購入を指示され、カードの番号を相手に教えた。
また、別に2つのサイトの登録も残っていると言われ、約50万円分のプリペイドカードを購入した。
5日後、海外のサイトでも登録が残っていると言われさらに約百万円を請求されたが、今度は海外なので後で全額返金になると言われた。
友人に話したところ、詐欺ではないかと言われ警察に行き、警察の説明で詐欺だとわかった。返金を求めることはできないのか。
【事例3】60代男性申し込んだ覚えがないが、数億円が当選したとのメールがスマートフォンに何度も届くので、本当に当選したかもしれないと思いメールを返信した。
当選金を受け取るには登録料として1万円がかかるが、後から当選金と一緒に返金されると言われ、プリペイド型電子マネーのギフト券をコンビニで購入し、ギフト券の番号を写真に撮って返信した。
その後、当選金を受け取るために手数料2万円を支払う必要があるとのメールが来た。
さらに3日後には銀行の振込手数料として2万円が必要と言われ、またギフト券を購入して番号をメールで伝えた。よく考えると不審な点がいくつかあり知人からだまされていると言われた。これまで支払った5万円を返金してほしい。
不審なメールは無視するのが一番
国民生活センターでは、迷惑メールによるトラブルを避けるために、次にようなアドバイスをしています。
【1】心当たりのない不審なメール・SMSが届いても、反応しないようにしましょう。
- メール・SMSに記載されている連絡先へは決して連絡しない
- 実在する事業者名が記載されているメールなどが届いて不安な場合には、事業者のホームページや問い合わせ先にメール等を送っているか確認する
【2】迷惑メールに関するトラブルを防止するための対策をしましょう。
- OSやセキュリティーソフト等を最新の状態に更新する
- 携帯電話、プロバイダー、セキュリティーソフト等の迷惑メールの対策サービスを使う
- メールアドレス、携帯電話の電話番号等の変更を検討する
万が一、迷惑メールがきっかけでトラブルになった場合は、すぐに消費生活センターや警察などの窓口に相談しましょう。