一人暮らしの高齢男性が、経済的な不安を抱きやすい理由

[2017/7/11 00:00]

一人暮らしの男性は経済的な不安を抱いている

内閣府が公開した「平成29年版 高齢社会白書」をベースにして、高齢者の一人暮らしの男女差を紹介します。

「自分の現在の経済的な暮し向き」という質問に対して、回答者全体では「心配ない」が64.6%で、「心配である」の34.8%を上回っています。

しかし、男性単身世帯では「心配ない」が50.5%に減り、「心配である」が48.4%に増えています。ほぼ半分の人が、経済的な暮らし向きに不安を抱いています。

同じ単身世帯でも、女性は58.7%が「心配ない」と答えており、男女の間では8%以上も差があります。

出典:データを基に編集部が作成

月収は男性の方が多い

「世帯全体の平均月収額」が「10万円未満」の人は、回答者全体では20%です。

単身世帯では、自分の分以外に収入がありませんから、平均月収は低くなります。

しかし、「10万円未満」の人の割合は、男性単身世帯が37.4%、女性単身世帯が36.8%で、ほぼ男女差がありません。

むしろ、月収が「20万円台」以上の割合は、男性の方が高く、月収は女性よりも多いのです。

つまり、男性単身世帯が経済的な不安を抱いているのは、収入が少ないからではなく、ほかに理由があることが分かります。

出典:データを基に編集部が作成

一人暮らしの男性の4割以上は貯金がない

「貯蓄の有無」を見ると、回答者全体では「貯蓄がない」割合は22.7%でした。

男性単身世帯では、「貯蓄がない」人が多く、46.2%と倍増しています。

女性単身世帯では、「貯蓄がない」人は30.8%でした。

女性の方が、貯蓄を心がけている人が多いことが分かります。

出典:データを基に編集部が作成

男性単身世帯の4割以上は「賃貸」住まい

老後の固定費で見逃せないのが住居にかかる費用です。

「今、住んでいる住居が賃貸である割合」は、回答者全体では11.7%でした。

かなり多くの人が「持ち家」に住んでいます。

しかし、男性単身世帯では、41.8%が「賃貸」に住んでいます。

特に「賃貸(集合住宅)」の割合が高く、36.3%を占めています。

女性単身世帯では「賃貸」の割合は22.9%でした。

回答者全体に比べると多いものの、男性単身世帯の半分です。

出典:データを基に編集部が作成

ストックの不足が不安を招く

「高齢社会白書」では、ここまで見てきた単身世帯の男女差に触れたあとで、その理由として次のように分析しています。


『男性単身者で「心配」が多いことの背景には、こうしたストック面の状況が影響していると考えられる。』

つまり、男性単身世帯は、貯蓄や持ち家という「ストック」が少ないため、月収という「フロー」が多くても、経済面での不安を抱いてしまうというわけです。

これは、男性単身世帯に限らず、高齢者全体にとって重要な指摘でしょう。

将来的に渡って、経済的に安定した気持ちで生活するために、少しでも早い時期から「ストック」を作ることを心がけましょう。

[シニアガイド編集部]
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