新聞を読んでいる人は28.5%。書籍や雑誌は8.1%

[2017/7/14 00:00]

紙媒体はどれぐらい読まれているか

新聞、書籍、雑誌などの出版物をメディアとして語る時に、「紙媒体(かみばいたい)」という言い方をすることがあります。

文字通り、文字を印刷した紙を媒体として、情報を伝えるメディアという意味です。

ここでは、総務省の調査を基にして、紙媒体がどれぐらい読まれているかを調べてみましょう。

なお、ここで言う紙媒体は、新聞、書籍、雑誌のほか、コミックも含んでいます。

高齢者に読まれる「新聞」、全世代で1割止まりの「本」

出典:編集部が作成

紙媒体を読んでいる人の、全世代を通じての平均は、「新聞」が28.5%、「書籍/雑誌/コミック」が8.1%です。

しかし、「新聞」は、年代によって読者の割合が大きく異なります。

読者の割合は、10代では2.1%しかいませんが、60代では55.4%と半数を超えます。つまり、年令が高いほど読む人が多い傾向があります。

「新聞」というメディアは、高齢者が支えていると言えるでしょう。

それに対して、「書籍/雑誌/コミック」などは、年代に関係なく読者の割合があまり変わりません。

ただし、読者は少なく、多い世代でも10%台に留まっています。

本や雑誌を読んでいる人は、ごく限られた人であることが分かります。

新聞は30分、本は1時間が目安

出典:編集部が作成

では、読者となった人たちは、平日の1日にどれぐらいの時間を割いているのでしょう。

全世代を通じた平均は、「新聞」が36.1分、「書籍/雑誌/コミック」が61.7分でした。つまり、新聞は30分、書籍などは1時間が目安となります。

「新聞」は年令が高くなるほど、読む時間が長くなる傾向があります。

10代では11.7分しか割いていませんが、60代では46.5分を割いています。

「書籍/雑誌/コミック」は、新聞ほどの差がありません。

10代でも47.5分を割いており、各年代とも1時間前後を割いています。

つまり、「書籍/雑誌/コミック」は、いったん読者になれば、年代を問わず、それなりの時間を割いていることが分かります。

ネットというライバルを前に、減少が続く読者数

出典:編集部が作成

紙媒体の読者は、「新聞」と「書籍/雑誌/コミック」のいずれも減少が続いています。

テキスト系メディアという点ではライバルである、Webやブログ、SNSなどのインターネットコンテンツに比べると、読んでいる人の割合も、割いてもらえる時間も大きく及びません。

しかし、特別な機器を必要とせずに読めることや、一覧性が良いことなど、紙媒体ならでは長所もあります。

それらの長所を活かした上で、紙媒体ならではの良さを訴えていく努力が必要でしょう。

[シニアガイド編集部]