新聞を読んでいる人は28.5%。書籍や雑誌は8.1%
紙媒体はどれぐらい読まれているか
新聞、書籍、雑誌などの出版物をメディアとして語る時に、「紙媒体(かみばいたい)」という言い方をすることがあります。
文字通り、文字を印刷した紙を媒体として、情報を伝えるメディアという意味です。
ここでは、総務省の調査を基にして、紙媒体がどれぐらい読まれているかを調べてみましょう。
なお、ここで言う紙媒体は、新聞、書籍、雑誌のほか、コミックも含んでいます。
高齢者に読まれる「新聞」、全世代で1割止まりの「本」
紙媒体を読んでいる人の、全世代を通じての平均は、「新聞」が28.5%、「書籍/雑誌/コミック」が8.1%です。
しかし、「新聞」は、年代によって読者の割合が大きく異なります。
読者の割合は、10代では2.1%しかいませんが、60代では55.4%と半数を超えます。つまり、年令が高いほど読む人が多い傾向があります。
「新聞」というメディアは、高齢者が支えていると言えるでしょう。
それに対して、「書籍/雑誌/コミック」などは、年代に関係なく読者の割合があまり変わりません。
ただし、読者は少なく、多い世代でも10%台に留まっています。
本や雑誌を読んでいる人は、ごく限られた人であることが分かります。
新聞は30分、本は1時間が目安
では、読者となった人たちは、平日の1日にどれぐらいの時間を割いているのでしょう。
全世代を通じた平均は、「新聞」が36.1分、「書籍/雑誌/コミック」が61.7分でした。つまり、新聞は30分、書籍などは1時間が目安となります。
「新聞」は年令が高くなるほど、読む時間が長くなる傾向があります。
10代では11.7分しか割いていませんが、60代では46.5分を割いています。
「書籍/雑誌/コミック」は、新聞ほどの差がありません。
10代でも47.5分を割いており、各年代とも1時間前後を割いています。
つまり、「書籍/雑誌/コミック」は、いったん読者になれば、年代を問わず、それなりの時間を割いていることが分かります。
ネットというライバルを前に、減少が続く読者数
紙媒体の読者は、「新聞」と「書籍/雑誌/コミック」のいずれも減少が続いています。
テキスト系メディアという点ではライバルである、Webやブログ、SNSなどのインターネットコンテンツに比べると、読んでいる人の割合も、割いてもらえる時間も大きく及びません。
しかし、特別な機器を必要とせずに読めることや、一覧性が良いことなど、紙媒体ならでは長所もあります。
それらの長所を活かした上で、紙媒体ならではの良さを訴えていく努力が必要でしょう。