過去1年間で、旅行をした人は「73.5%」、海外旅行は「7.2%」
旅行に関する大規模な調査
直前の1年間に、「旅行」をした日本人の割合は73.5%に達しています。
これは、総務省統計局が、2016年10月に行なった「平成28年社会生活基本調査」という調査による数字です。
この調査は約20万人を対象にした大規模なもので、統計的にも信頼性の高い手法を取っています。
このデータを基に、日本人の旅行の特徴を見ていきましょう。
なお、ここで言う「旅行」には、業務などの「出張」は含んでいません。
女性の方が旅行好き
男女別にみると、旅行経験のある男性は71.1%、女性は75.8%で、女性の方が多くなっています。
年齢別にグラフにしても、「10代前半」と「75歳以上」を除いて、女性の方が多くなっています。
旅行の回数が多い年齢は、「20代前半」から「30代後半」で、それ以降は旅行をする人は減っていきます。
特に「75歳以上」では、大きく減少しており、70代前半までが旅行をする意欲のある年齢のようです。
海外旅行に行く人は国内旅行の1/8
次に、国内旅行と海外旅行の差を見てみましょう。
ここでは、国内旅行は宿泊を伴うものだけを抜き出しています。
国内旅行をした人は58.0%で、海外旅行をした人は7.2%でした。
海外力に行く人は、国内旅行の8分の1です。
男女別に見ると、男性は56.2%と6.3%、女性は59.6%と8.1%で、いずれも女性の方が多くなっています。
海外旅行のデータを詳しく見ると、旅行に行く割合が高いのは「20代前半」から「20代後半」までです。30代になると、海外力に出る人が少なくなります。しかし、その後は大きく下がりません。
一方、国内旅行は「20代前半」からのピークは「30代後半」まで続きます。
なお、国内/海外とも、女性のみ「50代後半」に小さいピークがあります。
50代後半の女性は、旅行しやすい環境が整う時期なのかもしれません。
帰省する人の割合は26%
宿泊を伴う国内旅行の場合、その目的によって「観光」と「帰省」に分けられます。
「観光」で旅行した割合は58.0%で、「帰省」の割合は26.0%でした。
「帰省」は「観光」の半分ぐらいの規模があり、かなり頻繁に行なわれていることが分かります。
「帰省」の特徴は、30代後半がピークで、40代後半からは減っていきます。
特に、60代以降は大きく下がっていきます。実家も代替わりして帰る必要が少なくなるのでしょう。
なお、ここいう帰省は、自分の実家だけではなく、配偶者の実家などへの「訪問」も含んでいます。また、帰省のついでに観光した場合も、帰省としてカウントしています。
一緒に旅行に行く人と家族の関係
ここまでグラフを見てきて、疑問に感じるのは、「10代後半」は男女とも旅行に行かないことです。
その理由の1つが、「誰と旅行に行くか」でした。
「10代前半」までは、「家族」との旅行が多く、「30代前半」以降も同じです。
しかし、「20代前半」から「20代後半」までは「友人・知人・その他の人」が多くなっています。
つまり、「10代後半」は、もう家族と旅行には行きたくないが、未成年なので友人たちだけとの旅行にも制限があるという状態ではないかと推測されます。
そして、30代から少なくなる「友人・知人・その他の人」は、50代以降はまた増え始めます。
この年代になると、家族と旅行するよりも、友人たちと旅行する方が気軽なのかもしれません。
誰と旅行に行くかということだけで、家族との距離感の変化が分かるのは、面白いことです。