全国のお葬式の費用は「100万円以上200万円未満」が最多

[2017/8/18 00:00]

お葬式の費用は、いくら用意すれば良いのか

家族が亡くなった時に困ることの1つが、「お葬式にどれぐらい費用がかかるのか分からない」ことです。

また、終活の1つとして、「お葬式の費用は、自分で用意しておきたい」と思ったときも、具体的には、どれぐらいの費用を用意するべきか迷うところです。

経済産業省が行なっている「特定サービス産業実態調査」の中に、葬儀費用に関する統計を見つけましたので、紹介しましょう。

全国では「100万円以上200万円未満」が一番多い

この調査によれば、全国で1年間に行なわれた葬儀は「97万1,254件」でした。

日本の年間死亡者数は、約120~130万人ですから、この調査はその4分の3はカバーしています。

費用別にみると、「100万円以上200万円未満」が一番多く、約35万件でした。

続いて「50万円以上100万円未満」が約32万件、「50万円未満」が約22万件でした。

この3つで、全体の90%以上を占めています。

出典:データを基に編集部が作成

簡素な葬儀が多い「東京都」

葬儀は、地域による差が大きいと言われています。

ここでは、葬儀の件数が多い順に「東京都」「大阪府」「愛知県」の、それぞれの特徴を見てみましょう。

東京の年間葬儀件数は「9万7,221件」で、全国の10分の1を占めています。

費用の特徴は、全国に似ており、「100万円以上200万円未満」が一番多く、「50万円以上100万円未満」と「50万円未満」が続きます。

ただし、「50万円未満」の割合が28.6%と高く、「50万円以上100万円未満」の28.8%と、ほぼ並んでいます。

東京では、簡素な「直葬」が多いと言われていますが、実際に「50万円未満」で葬儀を済ませている人が多いことが分かります。

出典:データを基に編集部が作成

必要十分な「大阪府」

大阪府の年間葬儀件数は「5万7,817件」で、全国2位でした。

大阪府の特徴は、「50万円以上100万円未満」が39.9%と多いことです。

ただし、むやみに費用を節約しているわけではありません。

大阪府では、「50万円未満」の割合は全国並みで、東京都ほど多くありません。

一方、「100万円以上200万円未満」は、全国よりも極端に少なくなっています。

つまり「普通のお葬式はするが、必要のない費用はかけない」と言えるでしょう。

出典:データを基に編集部が作成

しっかりお金をかける「愛知県」

愛知県の年間葬儀件数は「4万3,362件」で、全国3位でした。

愛知県の特徴は、「50万円未満」の割合が低いことです。

愛知県では「50万円未満」の割合は12.6%しかなく、東京都の半分以下です。

その分、「200万円以上300万円未満」の割合が高く、16.8%もあります。

つまり、愛知県では「50万円未満」の簡素な葬儀が少なく、「200万円以上300万円未満」のしっかりとお金をかけた葬儀が多くなっています。

出典:データを基に編集部が作成

葬儀には地域ごとの特徴がある

大都市圏で、比較的葬送の自由度が高いと思われる「東京」「大阪」「愛知」でも、それぞれに葬儀の費用については特徴があります。

他県も含めれば、特徴はさらに顕著となります。

特徴のある地域の例を2つ挙げてみましょう。

沖縄県では「50万円未満」が61%を占めています。

「50万円以上100万円未満」と合わせると、90%以上の葬儀は100万円未満の費用で行なわれています。

出典:データを基に編集部が作成

石川県では「100万円以上200万円未満」が55.5%を占めています。

2番めに多いのは「200万円以上300万円未満」で、この2つを合わせると80%近くを占めています。

出典:データを基に編集部が作成

このように、葬儀は地域ごとに特徴があり、違いが大きい行事です。

「100万円以上200万円未満」という葬儀費用が、全国で一番多いことは間違いありませんが、あくまでも目安として捉えてください。

また、ここで紹介した葬儀費費用は、葬儀の代金として葬祭業者に支払われたものです。宗教者に対する謝礼や布施は含まれていませんので、ご承知おきください。

[シニアガイド編集部]