50代の70%以上は「老後の生活設計」に不安を抱いている
老後に対する不安が現れた世論調査
内閣府が、2017年6月に行なった「国民生活に関する世論調査」の結果を公開しています。
今回の調査では、国民の老後に対する不安が、さまざまな形で現れています。
調査は、全国18歳以上の日本国籍を有する者1万人を対象に、調査員による個別面接で行なわれ、6,319人の有効回答を得ています。
老後の不安のピークは50代
日頃の生活の中で、「悩みや不安を感じている」と答えた人に、「悩みや不安を感じていること」を聞いています。
一番多いのが「老後の生活設計について」で53.5%、二番目が「自分の健康について」で52.1%でした。いずれも半数以上の人が挙げています。
この2つの回答者を年代別に見ると、「老後の生活設計」は50代まで上がりつづけ、60代以降は少なくなります。
一方、「自分の健康について」は、年齢とともに上がり続け、70代では72%の人が不安に感じています。
40代までは「将来に備える」ことを優先する人が多い
「今後の生活において、貯蓄や投資など将来に備えることに力を入れたいと思うか、それとも毎日の生活を充実させて楽しむことに力を入れたいと思うか」と聞いています。
全体では、「将来に備える」は32.7%、「毎日の生活を充実させる」が59.6%でした。
しかし、年代別に見ると、40代までは「将来に備える」の方が多くなっています。
「毎日の生活を充実させる」は、50代から増え始め、60代と70代では80%前後の人が「毎日の生活を充実させる」を優先するとしています。
年齢が高いほど、今後の生活は悪くなると考えている
「今後の生活の見通し」という質問に対して、「良くなっていく」が9.4%、「同じようなもの」が65.2%、「悪くなっていく」が23.1%でした。
年代別に見ると、「同じようなもの」はどの年代でも60%台で安定しています。
しかし、「良くなっていく」は、年齢が上がるほど少なくなります。
一方、「悪くなっていく」は、年齢が上がるほど多くなり、40代で「良くなっていく」を上回ります。
政府に希望するのは「医療・年金」の整備
「政府はどのようなことに力を入れるべきだと思うか」という質問をしています。
高齢化と密接に関係する「医療・年金等の社会保障の整備」を挙げた人が最も多くなっています。
二番目は「景気対策」ですが、三番目は「高齢社会対策」でした。
将来の老後を安心して過ごせるようにして欲しいという希望が多いことが分かります。