70代からは「石油ストーブ」、80代からは「介護ベッド」の事故に注意

[2017/9/19 00:00]
灯油と誤ってガソリンを給油した事故の再現例 出典:NITE

過去5年間の高齢者による死亡事故は126件

独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE:ナイト)が、過去5年間に起きた高齢者の事故について、レポートを公開しています。

2012年度から2016年度の5年間で、高齢者が被害を受けた事故は「1,280件」に上りました。

このうち、死亡事故が「126件」、重傷事故が「176件」でした。

使い方が原因の事故が多い

NITEによれば、死亡または重傷事故のうち約6割は、「製品の使い方」が原因となっています。

特に70代以降に事故が多い「ストーブ」と、80代以降に事故が多い「介護ベッド」について、次のように使い方の注意を呼びかけています。

  • ストーブ
    『高齢者の死亡事故が最も多い製品はストーブです。例として、ガソリンの誤給油や給油時にカートリッジタンクを十分に締めていなかった事故などが挙げられます。ストーブの誤った使い方、慣れや油断は禁物です。この機に安全装置の付いた製品への買い替えも検討しましょう』
タンクから漏れた灯油に引火した事故の再現例 出典:NITE
  • 介護ベッド
    『80歳以上から介護ベッド周りの製品による死亡・重傷事故が増えます。最も多いのが、ベッド周りの隙間に頭や首など身体を挟まれる事故です。介護者は介護ベッド及び関連製品の隙間に細心の注意を払い、わずかな隙間でも保護カバーを掛けるなど対策を取ってください』
介護ベッドの隙間に手を入れた状態でベッドを上げたため手を挟んだ事故の再現例 出典:NITE

年代別に見た危険な家庭用機器

NITEでは、年齢別に事故の多い機器をまとめています。

65~70歳では、植木の手入れや雨樋(あまどい)の清掃の際に使う「脚立(きゃたつ)などからの落下」が多くなっています。

70代からは「ストーブ」、80代からは「ストーブ」に加えて「介護ベッド」の事故が多いことが分かります。

事故の防止のためには、高齢者本人だけでなく家族や周囲の人の配慮も必要です。

出典:NITE
出典:NITE
出典:NITE
[シニアガイド編集部]