「ATMの操作でお金が返ってくる」は、すべて詐欺です
還付金詐欺が増加中
自治体の職員などを装い、「健康保険料や税金の還付(かんぷ)がある」と言って、ATM(現金自動預払機)を操作させる「還付金詐欺」に関する相談が増えています。
国民生活センターでは、『ATMを操作しても還付金が戻ることは絶対にありません』と詐欺の被害に遭わないよう呼びかけています。
実際に、どのような手口で騙されるのか、百万円近いお金を奪われた2つの実例を紹介します。
【実例1】指示されるまま操作をしたら百万円の振り込みをしていた
役所の人からの電話で、「百万円以上の残高のある通帳を持って手続きをすれば、手数料が免除され、すぐに口座に還付金2万8千円が振り込まれる」と言われた。
還付金の内容については言われなかったが、携帯電話を持ってスーパーのATMに行った。ATMの前で指示された番号に電話し、担当者から言われた暗証番号「982337」を入力し操作した。
還付金が振り込まれたと思い残高を確認したところ、「98万2,337円」が他人の口座に振り込まれていることがわかった。(60代女性)
【実例2】銀行と称する電話の指示に従ったところ、約百万円振り込まされた
自宅に役所からという電話で、「4年分の医療費還付金が約2万円ある。手続きは今日中だが取引銀行はどこか」と聞かれ答えたところ、「銀行から電話をさせる」と言って切れた。
すぐに銀行から電話がかかってきて、近所のATM前で待ち合わせることになった。そこは少し前に銀行の有人店舗からATMだけの店舗になったが、そのことを電話先の人は知っていたので信用した。
ATMに行くと誰もおらず、銀行からの電話で「急用で行けない、手続きは電話で案内する」と言われ、指示されるままATMの操作をしたが、通帳を見るとお金がなくなっていたので、だまされたことがわかった。
調べてみると振り込みの時から10分ほどで振り込んだ全額が引き出されていた。(70代女性)
「お金が返ってくるからATMへ」という電話は、すぐに切る
国民生活センターでは、還付金詐欺の被害に遭わないように、次の4点をアドバイスしています。
- 電話で「お金が返ってくるのでATMに行くように」と言われたら、それは還付金詐欺です。そのまま電話を切るようにしてください
- 還付金等に心当たりがある場合でも、すぐにATMに向かったり、指示された電話番号に電話をかけたりせず、役所の担当部署に電話をかけて確認をしてください
- 全国各地で起きているため、今後も還付金詐欺に注意が必要です
- 「お金が返ってくる」など還付金詐欺に関する電話があった場合は、すぐに警察や消費生活センター等に電話するなど、周囲に相談をしてください