パートで働いている割合が一番高いのは「65歳以上の男性」

[2017/9/28 00:00]

国によるパートタイマーの調査

厚労省が、「パートタイム労働者総合実態調査」の結果を公開しています。

2016年10月に行なわれた、この調査は、パートタイムの労働環境について、会社側と働いている個人との双方にアンケートしています。

個人調査だけでも、有効回答数9,911人という大規模なものです。

なお、この調査では、「パート」は次のように定義されています。

『正社員以外の労働者で、パートタイマー、アルバイト、準社員、嘱託、臨時社員、などの名称にかかわらず、週の所定労働時間が正社員よりも短い労働者をいう。短時間正社員は含まない』

つまり、いわゆる「パートタイマー」以外にも、「アルバイト」および「定年後の再雇用による契約社員」なども含んでいます。

ここでは、パートで働いている個人の属性を中心に紹介します。

男性パートは20代と60代が多い

パートで働いている人の割合を見ると、男性は「20代」と「60代」、女性は「40代」が多くなっています。

出典:データを基に編集部が作成

男性の「20代」が多いのは、アルバイトが中心と推定されます。

働く理由は「自分の学費や娯楽費を稼ぐため」が多く、結婚している人が少ないのも特徴です。

「60代」は、定年後の再雇用制度による契約社員などが中心と推定できます。

定年退職することで、パートの比率が高くなっており、「65歳以上」では23.9%の人がパートで働いています。これは、男女各年齢を通じて、一番高い比率です。

そして、60代は結婚している人の割合が高く、働く理由も「生活を維持するため」が多くなっています。

出典:データを基に編集部が作成

女性パートは40代が多い

一方、女性のパート比率は、30代後半から増え、40代がピークとなっています。

女性パートの特徴は、結婚している人の割合が高いことです。30代後半から50代まで、ずっと80%を超えています。

働いている理由も、「主たる稼ぎ手ではないが、生活を維持するため」や「子供の教育費」などが中心で、家計の一翼を担っていることが分かります。

出典:データを基に編集部が作成

パートは、サービス業や事務/販売が多い

パートタイマーの職種で一番多いのは「サービス業」です。

二番目が「事務」、三番目が「販売」です。

男女別にみると、女性は「事務」が、男性は「輸送/機械運転」が多いという特徴があります。

出典:データを基に編集部が作成

パートで働く理由は「都合の良い時間に働きたい」

パートタイマーとして働いている理由で、一番多いのは「自分の都合の良い時間/日に働きたいから」でした。

二番目が「勤務時間/日数が短いから」です。

出典:データを基に編集部が作成

女性では、「就業調整ができる」と「家庭の事情で正社員として働けない」も多くなっています。

「就業調整」は、働く時間を調整することで、年収が健保や扶養の収入制限を超えないように調整することを言います。

また、家庭の事情としては「育児や介護など」が中心です。

パートを通じて見える男女の職業生活

今回の調査結果を見ると、パートとしての働き方だけではなく、男性と女性のそれぞれの職業選択のコースも見えてきます。

男性の働き方を見ると、20代まではアルバイト、20代後半から50代までは正社員として働き、60代からはパートタイムで働くというのが一般的です。

特に、40代から50代の男性は、自分の将来の働き方について、早めに確認をしておきましょう。少なくとも、自分では正社員を希望しているのに、パートを選ばざるをえないという場合もあることは知っておいた方が良いでしょう。

女性の働き方を見ると、20代は正社員として働いている人が中心ですが、30代に入って結婚すると、育児なども含めた諸事情によって退職し、ある程度、外に出られるようになった30代後半からパートとして働いている様子がうかがえます。

「パート」という選択肢があることは、働き方の幅を広げるという意味では良いことですが、収入が低くなりやすいなどの欠点もあります。また、収入制限などの問題もあります。

自分の状況に適した働き方を選ぶためにも、パートとして働き始める前に、その長所と短所は知っておきましょう。

[シニアガイド編集部]