22%の企業が、オフィスの「全面禁煙」を実施済み
企業における喫煙の実態調査
調査会社の帝国データバンクが、「企業における喫煙に関する意識調査」の結果を公開しています。
この調査は、2017年9月に行なわれ、1万212社の有効回答がありました。
「完全分煙」が5割、完全禁煙」が2割
企業の本社または主要事業所内の喫煙状況を聞いています。
一番多いのは、適切な換気がされている喫煙場所がある、または屋外に喫煙場所を設けている「完全分煙」でした。
「完全分煙」を選択している企業は56%で、過半数を超えています。
二番目に多いのが、社内での喫煙を不可とする「全面禁煙」で22%でした。
なお、「特に喫煙制限は設けていない」は7.3%に留まっています。
喫煙制限をすると職場がきれいになる
「喫煙制限を設けたことによる影響」を聞いています。
60%を超える企業が、「職場内がきれいになった」と答えています。
また、「安全面が向上した(火事のリスク低減など)」「喫煙者と非喫煙者の公平性が向上した(業務中のたばこ休憩など)」など、喫煙制限に肯定的な回答が多くなっています。
ただし、「喫煙者からの不満が増えた(集中できないなど)」も5位に入っており、喫煙者の不満も表面化していることが分かります。
70%近くの企業は「公共施設が全面禁煙になっても影響がない」
「今後、法令等により職場や店舗などを含む公共施設の全面禁煙が実施された場合の、自社の業績対する影響」を聞いています。
70%近い企業が、「影響はない」としています。
「プラスの影響がある」と「マイナスの影響がある」が、約8%ずつで、ほぼ並んでいます。
「プラスの影響がある」としているのは、「教育サービス」「繊維・繊維製品・服飾品製造」「電気・ガス・水道・熱供給」「人材派遣・紹介」「メンテナンス・警備・検査」でした。
一方、「マイナスの影響がある」としているのは「飲食店」が多く、半分を占めます。
そして、「娯楽サービス」「旅館・ホテル」「各種商品小売」「飲食料品小売」が続きます。
今回の調査では、社員を中心とした特定メンバーしか出入りしないオフィスでは、「禁煙」や「完全分煙」が進んでいることが分かりました。
しかし、不特定の顧客が出入りする個人向けのサービス業や小売業では、「公共施設の全面禁煙」による悪影響を恐れる声が強くなっています。
2020年の東京オリンピック/パラリンピックに向けて、公共施設の禁煙を目指した働きかけが強くなりそうですが、結論が出るまでに時間がかかるかもしれません。