高齢者は「有料放送」、若い層は「ストリーミング」。スマホの普及率で違い
デジタルメディアへの接し方を調査
コンサルティング会社のデロイト トーマツ コンサルティングが、「デジタルメディア利用実態調査」の結果を公開しています。
この調査は、インターネットを中心としたデジタルメディアへの接し方の違いを年代別にまとめたものです。
2017年2月から行なわれたオンライン調査では、14歳以上の2,018名が回答しています。
10代はテレビよりスマホ
最初に、デジタルメディアを楽しむための機器について、持っている割合を調べています。
「薄型テレビ」の保有率は、どの年代でも高く、ほとんどの世代で保有率が一番高い機器です。
しかし、「14歳~19歳」では、スマートフォン(スマホ)の保有率が「84%」と高く、テレビの保有率「83%」を上回りました。
スマホは、若い世代ほど保有率が高い傾向があります。「20歳~33歳」では「82%」ですが、「70歳以上」では「28%」に留まっています。
なお、70歳以上では、「ゲーム機」や「携帯ゲーム機」も持っていない人が多くなっています。
高齢者は「有料放送」、若い層は「ストリーミング」
映像コンテンツの有料サービスでは、70歳以上ではケーブルテレビやCS/BS放送などの「有料放送」が、若年層ではインターネットの「ストリーミングビデオ/音楽サービス」の加入率が高く、年代による違いが出ています。
「新聞購読率」と「固定電話契約率」も年代差が大きく、高齢者ほど利用率が高くなっています。
SNSとゲームは若いほど活発に参加
メディア消費の動向を見ると、「SNSの利用」と「ゲームの利用」は、若い層ほど活発です。
70歳以上では、それぞれ20%台に留まっています。
テレビの次に利用されるメディアが違う
「ニュース・情報を取得する際に、最も利用するメディア」では、各世代とも「テレビ」が最も利用されています。
しかし、2番目に利用するチャネルでは、70歳以上は「新聞」、20歳から50歳までが「Yahoo! ニュース」に代表されるニュースポータルサイトなどの「アグリゲーター」、10代は「SNS」でした。
ニュースの窓口がテレビなのは各世代で共通ですが、それに続くメディアが年齢によって違うことが分かります。
若者はスマホ、高齢者はテレビと新聞
高齢者層のメディアとの接し方をまとめると、「テレビ」が中心で、「新聞」も有力です。
パソコンは、そこそこ普及していますが、スマートフォンは普及していません。
また、サービス関係では、ケーブルテレビやBS/CS放送など、テレビで視聴する有料放送が中心です。
インターネット経由のストリーミングサービスはあまり利用していません。オンラインゲームやSNSなどの利用にも消極的です。
各年代ごとの違いを、スマホの普及率で見ると、10代~33歳まではスマホが必需品、50代からは普及率が下がり始め、70代からの高齢者層は様子見の段階と言えます。
スマホは、デジタルメディアを利用するための中心機器であり、高齢者層がデジタルメディアサービスを楽しむためにも、必須の存在となっていくでしょう。