身内に不幸があったときに出す喪中はがきのマナー
喪中はがきのマナー
この記事では、今年、身内に不幸があった人が出す「喪中はがき」について、その意味やマナーを紹介します。
内容については、メモリアルアートの大野屋のご協力によります。
なお、喪中はがきを受け取ったときの対応については、「喪中はがきをいただいたときの対応とマナーという記事を参照してください。
どうして年賀状を遠慮しなければならないのか
「喪中はがき」は、「身内に不幸があり、年賀状を失礼させていただく」ことを伝えるためのハガキです。
そのため「年賀欠礼」という呼び方もあります。
では、どうして、身内に不幸があったときは、年賀状を出してはいけないのでしょうか。
家族などの身内に不幸があったときは、一定の期間は、祝い事を遠慮する習慣があります。
これを、「喪(も)に服す」と言います。
「喪」は、一定の期間、故人を偲び、身を慎む期間ですから、祝い事を行なったり参加することを控えます。
例えば、玄関の正月飾り、鏡餅やおせち、初詣(はつもうで)などの、年末年始の行事は「新しい年を迎える喜び」を示す行事ですから、控えるのが一般的です。
年賀状は、もともとは「年始の挨拶まわり(年賀)」の代わりに始まった習慣で、お祝い事の1つです。
そのため、喪中の場合は、年賀状を出すことを控えます。そして、毎年、年賀状をくださる方に、年賀状を送っていただかないように知らせるための「喪中はがき」を出すのです。
「喪中」はいつまでか
では、「喪」に服する期間は、どのように決まっているのでしょうか。
実は、 喪中期間には正式な決まりはありません。
大野屋テレホンセンターでは、下記を目安として紹介しています。
- 一親等(親、子):1年
- 二親等(祖父母、兄弟など):3カ月~5カ月
- 三親等(おじ、おばなど)・姻族(配偶者の親など):関係性による
喪中はがきを出す範囲は、ケース・バイ・ケースで柔軟に対応すべきでしょう。故人との関係や、 相手との関係の親疎によっても、年賀欠礼を出す範囲を変えて構いません。
また、仕事関係の相手に対しては、例年どおり年賀状を出すのが一般的です。
喪中はがきは、いつまでに出せば良いのか
喪中はがきを出す時期は、年賀状の発売時期と受付期間を考える必要があります。
年賀状は、例年11月1日に発売され、12月15日から受付が始まります。
つまり、気の早い方は、11月に入ったら年賀状の準備を始め、12月15日に出す可能性があります。
そのため、喪中はがきも、11月に入ったら出してかまいませんし、遅くとも12月15日までに届くようにすれば、相手の年賀状と行き違いになる可能性が無くなります。
喪中はがきの内容
喪中はがきには、何を書けば良いのでしょうか。
まず、誰の喪に服しているのかを明確にし、生前の感謝の意を記します。
喪中はがきは訃報を伝える手紙ですから、それ以上の知らせは必要ありません。
転居や出産などの近況の報告を一緒に書くことは避けます。特に結婚や出産などの祝い事の報告は避けましょう。
祝い事の報告をしたい場合は、喪中はがきとは別に「寒中見舞い」などにして出すのがマナーです。
ケース1:「妻の母」の呼び方
ここからは、実際にメモリアルアートの大野屋に寄せられた質問を基にしたQ&Aを3つ紹介します。
喪中はがきを出そうと思い、その文例を見ていたら、「岳父○○、△月逝去、享年××歳」とありました。調べてみて「岳父」は「妻の父」という意味だと初めて知りましたが、「妻の母」「夫の父」「夫の母」にもこの「岳父」に類する様な言葉があるのでしょうか。
喪中はがきにおいてよく見かける「岳父」ですが、おっしゃるとおり「妻の父」という意味です。
ほかにもそれに類する言葉として、「妻の母」は丈母(じょうぼ)または岳母(がくぼ)と呼びます。
なお、「夫の父」「夫の母」について、妻の場合は夫と同じ立場とするので、「父」「母」と表記して構いません。
ケース2:夫婦連名で出す場合の呼び方
喪中はがきの差出人は夫婦連名で出そうと思います。苗字の違う妻の里方の母が亡くなった場合、「義母」と書くのでしょうか、妻にとっては義母ではないので、どんな文面にすればいいのでしょうか。
夫婦連名で出す場合、ご主人様を主体として文章を書くのが一般的です。
おっしゃる通り「義母」あるいは「岳母」と書きます。
もし違和感があるようでしたら、「妻の母○○」もしくは「母○○ ○○(フルネーム)」とされてはいかがでしょうか。フルネームで書くと、名字が異なるので奥様のお母様だと伝わります。
ケース3:叔母の場合は喪中はがきを出すか
4月に私の叔母が亡くなりました。喪中はがきを出すべきですか。それとも、自分達の親の時だけが喪中なのでしょうか。
叔母様の場合、喪中とするケースは少ないようです。
しかし、同居していたり、生前とても可愛がってくれていたなど、ご自身のお気持ちとして、お祝いをする気持ちになれないという場合は、普段年賀状をやり取りしている相手へ喪中はがきを出しても問題ありません。
ケース4:メールで代用しても良いか
喪中に当たりますが、年賀状をくれた人に返事を書く程度で毎年自分からは年賀状を出していません。年賀状をくれそうな人にはメールで簡単に喪中のお知らせをしたいと思いますが、マナー違反なのでしょうか。
親しい間柄でも、はがきでお伝えするのがもっとも丁寧です。しかし最近はコミュニケーションツールの変化により、メールやメッセージアプリを使用することに対して寛容な捉え方をする人も増えてきています。普段からメールで連絡を取り合っている親しい間柄であれば、喪中はがきの代わりにメールを使用しても良いでしょう。
ただし、目上の方などには本来のしきたり通り、喪中はがきを送りましょう。
ケース5:葬儀に参列してくださった方へも出すべきか
父が亡くなり、喪中はがきを出します。親戚や葬儀に参列してくれた人へも喪中はがきを出した方がいいでしょうか?
喪中はがきは「身内に不幸があったので、年末年始のご挨拶を遠慮させていただきます」というご挨拶状なので、普段年賀状をやりとりしている相手へは基本的に出します。
ただし、出す相手がご親戚の場合には、お互いに喪中であったり、状況をよくご存知のこともありますので喪中はがきを省略されることもあります。今回はお父様のきょうだいなど、近い親戚へは省略されても構いません。
喪中はがきを出す場合にも、お葬式のときにお世話になったお礼などを書き添えて送るとより丁寧かと思います。
【お知らせ】この記事は2018年11月25日にデータを更新しました。