「若者に好まれる趣味」の代表は「音楽鑑賞」、「年齢を問わない趣味」の代表は「読書」
11月3日は「文化の日」
11月3日の「文化の日」に合わせて、総務省統計局が「統計からみた文化・芸術活動」というレポートを公開しています。
これは、「文化・芸術活動に関する主な趣味・娯楽」(以下、趣味と略)を、国民が行なっているかを調べたものです。
ベースになっているのは、「平成28年社会生活基本調査」という、全国規模で行なわれた信頼度の高い調査です。
「映画鑑賞」「音楽鑑賞」「読書」が三本柱
このレポートによれば、一番多くの人が行なっている趣味は「映画館以外での映画鑑賞」でした。
二番目が「CD・スマートフォンなどによる音楽鑑賞」、三番目が「映画館での映画鑑賞」です。
四番目の「趣味としての読書」までが、30%以上の人が行なっている趣味です。
「映画鑑賞」「音楽鑑賞」「読書」は、趣味の代表格ですから、納得できる結果と言えるでしょう。
「音楽鑑賞」に時間を費やしている人が多い
しかし、趣味に費やしている「日数」をベースに見ると、順番が大きく変わります。
一番時間を使っているのは「音楽鑑賞」でした。
年間で約130日を費やしていますから、3日に1度以上のペースで音楽を聞いています。
二番目が「読書」、三番目に「楽器の演奏」が入ってきます。
「楽器の演奏」は、行なっている人は少なくても、携わっている人は多くの日数を割いていることが分かります。
逆に「映画館での映画鑑賞」は、行なっている人は多くても、映画館に行く回数は少ないことが分かります。
「若者に好まれる趣味」と「年齢を問わない趣味」
「趣味」と「年齢」の関係を見ると、それぞれの趣味ごとに特徴があることが分かります。
典型的なのが「音楽鑑賞」で、ピークの20代には80%を超える人が行なっていますが、65歳を過ぎると30%を切ります。
グラフを見ると、折れ線で示された「行動者率」が右肩下がりなのが読み取れます。
棒グラフで示された「費やしている日数」も、ほぼ同じように減っており、「若者に好まれる趣味」であることがわかります。
これに対して「読書」は、ほとんどの年代で40%台を維持しており、際立ったピークがありません。
実行している人は、20代でいったん落ち込みますが、年齢が進むに連れて増えていきます。
費やしている日数で見ると、10代と70代で、ほとんど差がなく、「年齢を問わない趣味」と言えそうです。
「若者に好まれる趣味」としては、「音楽鑑賞」のほかに、「映画館での映画鑑賞」や「楽器の演奏」が挙げられます。
一方、「年齢を問わない趣味」としては、「読書」のほかに、「映画館以外での映画鑑賞」や「美術鑑賞」などが挙げられます。
もちろん例外はありますが、定年退職後などに新しい趣味を探すときの参考になる結果でしょう。
なお、「写真の撮影・プリント」は、男女の差が大きい趣味で、女性は「若者向けの趣味」、男性は「年齢を問わない趣味」とタイプが分かれています。
これは、若い女性層に、スマートフォンで写真を撮影して「インスタグラム」などのSNSに投稿する趣味が普及していることが原因と思われます。