介護経験のある管理職の2人に1人は退職を考えたことがある
介護経験のある管理職へのアンケート
総合人事・人財サービス企業のアデコが、「管理職の介護経験」についてアンケート結果を公開しています。
2017年10月に行なわれたインターネットアンケートには、親族を介護した経験があり、直属の部下を持つ管理職(課長/部長職)600人が回答しています。
2人の1人は「退職」を考えたことがある
介護を理由に退職を考えたことがある管理職は47.5%でした。
ほぼ2人に1人が、退職を考えたことがあるとしています。
「何度も考えたことがある」という人も20%弱いて、仕事と介護の両立が難しいことが分かります。
退職を考えた理由、考えなかった理由
退職を考えた理由で一番多いのは、「体力・精神的な負担や不安」でした。
「介護を優先したい」「仕事・職場への影響」「仕事と介護との両立が困難」などが続きます。
一方、退職を考えなかった理由で一番多いのは「収入面での不安」でした。
「家族のサポートがあった」「職場の理解や支援制度」が続いています。
3分の2は、介護で会社を休んだことがある
介護を理由に会社を休んだことがある管理職は「67.0%」でした。
3分の2にあたる人が、会社を休んでいます。
利用した制度は「有給休暇」
介護で会社を休む時に利用した制度は「有給休暇」が一番多く「88%」を占めています。
対象家族1人につき1年に5日取得できる「介護休暇」や、家族1人につき通算93日を3回まで分割取得できる「介護休業」を利用している人は多くありません。
会社での相談先は「上司」
介護について会社で相談する相手は、「上司」が多くなっています。
また、「同僚」や「部下」に相談する人も多いのですが、「人事担当」に直接相談する人は14.8%しかいません。
また、「誰にも打ち明けていない」人も「13.3%」います。
制度を使いやすい雰囲気が必要
部下のいる管理職の場合、介護の負担は重く、2人に1人は「退職」を考えるほどです。
また、退職に至らなくても、3分の2の人は、介護で会社を休んだことがあります。
休みと取る場合でも、「有給休暇」を使っていることが多く、「介護休暇」や「介護休業」の制度を知らないか、または取りにくい雰囲気があると想像できます。
2017年10月の「改正育児・介護休業法」の改正では、企業に対して、介護休暇の半日単位での取得などの制度を社員に周知する努力義務が課せられました。
企業には、制度を利用しやすい職場の雰囲気を作ることが、ますます求められていくでしょう。