国民生活センターが「宅配買取サービス」のトラブルを警告
宅配買取サービスによるトラブルが増加
国民生活センターが、「宅配買取サービス」によるトラブルが増えていると、警告しています。
宅配買取サービスは、Webサイトなどで申し込んで、段ボール箱で物品を送ると、買い取りをしてくれるサービスです。
価格査定や取引条件のトラブルが多い
国民生活センターに寄せられた相談で多い、買取サービスのトラブルは、次の5点です。
- ウェブサイト上の目安の買い取り価格に比べ実際の査定額が著しく安い
- 査定結果の連絡方法や振り込み手続き等、取引条件や規約が消費者に伝わっていない
- 商品の紛失、汚れなど、送付や宅配のプロセスでトラブルが発生している
- 消費者に対応する体制が整っていない
- 商品が消費者の手元にないので交渉が不利
特に、査定価格に対する不満と、査定価格が不満な際に返品する際の送料をどちらが負担するかなどの取引条件が問題となりやすいようです。
消費者への4つのアドバイス
国民生活センターでは、トラブルの事例を参考に、次の4点をアドバイスしています。
【1】宅配買取に向く商品と向かない商品があります
「宅配買取」は商品の持ち込みなどの手間がなく手軽であり、「処分したいが廃棄するのはもったいない」商品の処分や査定には便利な取引方法です。ただ一方で、思い入れの強いものや、自分が売りたい価格が決まっているものには不向きと思われます。
【2】一見高額で買い取られると思わせる表示があっても条件を細かく確認しましょう
一見魅力的な買い取り価格が表示されていたとしても、即断せずに規約などを確認する、他の事業者のウェブサイト等にも目を通すなどして、取引の条件をよく確認するようにしましょう。査定価格に納得がいかなかった際の返送料については、特に事前に確認しておく必要があります。
【3】送付する商品の記録を作っておきましょう
直接対面での商品の確認がありませんので、送付する商品はリストを作る、商品の状態を確認できるように写真を撮るなどして、できるだけ詳細に記録しておきましょう。
【4】トラブルにあった際には消費生活センターに相談しましょう
不安になった場合やトラブルにあった場合は、最寄りの消費生活センターへ相談しましょう。
思い入れのある商品を売るには向かないシステム
宅配買取サービスの対象となることが多い、書籍、CD、DVD、ゲーム機、ゲーム本体などは、ちょっと古くなると、極端に値段が下がります。
特に古い書籍やCDの場合は、中古価格が高くても、宅配買取サービスでは「0円」と査定されることも珍しくありません。
宅配買い取り業者の多くは、新品に近いきれいな商品を転売することを目的としているので、新しくないというだけで大きく価値が下がるのです。
この例でも分かるように、宅配買取サービスは、この価格以下では売りたくないという場合には向いていません。
指定の価格以下では売りたくないような場合は、宅配買取サービスではなく、価値が分かる専門店での買い取りや、価格指定ができるフリマやオークションを利用することも考えましょう。