70歳以上まで働ける企業の割合が、一番高いのは「秋田」、一番低いのは「東京」
65歳まで働ける制度が行き渡る
現在、全ての企業は「定年の廃止」「定年の引き上げ」「継続雇用制度の導入」のいずれかの雇用確保措置が義務付けられています。
3つの制度のいずれかによって、65歳まで働くことができるようになっています。
厚労省による「高年齢者の雇用状況」という調査によれば、雇用確保措置を導入している企業の割合は全国平均でも「99.7%」に達しています。
都道府県別に見ると、「青森」「栃木」「福井」「鳥取」「大分」「宮崎」の6県は「100%」でした。
一番低い「山形」でも「98.6%」ですから、雇用確保措置は、ほぼすべての企業で導入済みと考えて良いでしょう。
全都道府県の一覧は記事末に掲載してあります。
65歳以上まで働ける企業が多いのは「岩手」
「希望者全員が65歳以上まで働ける企業」となると、かなり少なくなります。
全国平均は「75.6%」でした。
「希望者全員が65歳以上まで働ける企業」の割合が、もっとも高いのは「岩手」で「87.5%」でした。
2位は「大分」が「86.8%」で続いています。
一方、もっとも低いのは「佐賀」で、「69.8%」に留まっています。
70歳以上まで働ける企業が多いのは「秋田」
「70歳以上まで働ける企業」になると、さらに割合が下がります。
全国平均は「22.6%」でした。
「70歳以上まで働ける企業」の割合が、もっとも高いのは「秋田」で「33.7%」です。
2位は「富山」が「31.2%」で続いています。
上位の県では、3社に1社ぐらいの割合で、70歳以上まで働けることが分かります。
一方、「東京」は「17.0%」ともっとも低く、最下位に甘んじています。
また、「沖縄」と「高知」も、20%を切っています。
70歳以上まで働ける企業が多い理由
1位となった秋田が典型ですが、70歳以上まで働ける割合が高い県は、人手不足が深刻な県でもあります。
しかし、地域の事情はともあれ、70歳以上まで働ける企業が多いのは、働き続ける意欲がある人にとってはありがたいことです。
一方、東京に70歳以上まで働ける企業が少ないのは、人手不足の問題だけではなく、大企業の割合が高いことも影響している可能性があります。
一般に、定期的に新卒者を採用している大企業は、高齢者雇用に対して積極的ではありません。むしろ、中小企業の方が、技能を持った社員を継続して雇用し続ける傾向があります。
まずは、自分が所属している会社の就業規則などで、定年や再雇用に関する規定を調べることから始めましょう。