雇用形態によって大きな差がある、60歳以降の働き方

[2017/11/25 00:00]

60歳以降に、どのように働くか

大和ネクスト銀行が行なった、「働くシニアの仕事と生活に関する実態調査」の結果から、60歳以降の働き方を紹介します。

この調査は、2017年9月に、全国の60歳~79歳の男女1,000人を対象にインターネット経由で行なわれました。

この調査の面白いところは、「正社員」「役員」「パート」「自営業」などの職業別に、勤務時間と勤務日数を調べているところです。

働き方で分けられる2つのグループ

「1週間の勤務日数」を、「正社員/正職員」「非常勤職員」「役員/経営者」「専門職」「自営業/フリーランス」「パート/アルバイト」の6つの職業別に調べています。

すると、6つの職業が、2つのグループに分かれました。

最初のグループは、フルタイムで働いている人の集団です。

このグループに分けられる、「正社員/正職員」「非常勤職員」「役員/経営者」「専門職」では、週5日働く人が多く、半分以上を占めています。

しかも、「役員/経営者」と「専門職」では、週6日働く人も少なくありません。

さらに「役員/経営者」では、週7日働いている人が「9.8%」もいます。つまり、休み無しで働いているわけです。

出典:データを基に編集部が作成

もう1つのグループは、自分で働く時間が調整できる人の集団です。

このグループに分けられる、「自営業/フリーランス」と「パート/アルバイト」は、「週5日」働いている人の割合が低く、3分の1以下です。

「自営業/フリーランス」では、「週1日」という人も「週7日」という人も多く、人によって働き方が違うことが分かります。

「パート/アルバイト」では、「週5日」とともに「週3日」という人が多くなっています。「週3日」が、収入や体力などのバランスが良い落とし所なのでしょう。

出典:データを基に編集部が作成

1日の勤務時間は「8時間」が中心

次に「1日の勤務時間」を見てみましょう。

こちらも、さきほどと同じ2つのグループに分けられます。

最初のグループの「正社員/正職員」「非常勤職員」「役員/経営者」「専門職」は、勤務時間のピークが、きれいに「8時間」に揃います。

「役員/経営者」と「専門職」では、「9時間以上」と、長い勤務になるのは、勤務日数と同じです。

出典:データを基に編集部が作成

もう1つのグループの「自営業/フリーランス」と「パート/アルバイト」では、「8時間」のピークがありません。

「パート/アルバイト」では、「5時間」にピークがあります。

「自営業/フリーランス」では、「1時間」と「6時間」にピークがあります。「自営業/フリーランス」は、勤務時間についても個人差が大きい職業であることが分かります。

出典:データを基に編集部が作成

リミッターなしで働けるのは「役員/経営者」と「自営業/フリーランス」

このように見てくると、「正社員/正職員」「非常勤職員」「役員/経営者」「専門職」は、週5日、1日8時間勤務という現役世代と同じ量で働いている人が多いことがわかります。

週5日ペースで動いている会社や役所で働く限り、60歳を過ぎていても、現役の社員/職員に近い働き方になってしまうのでしょう。

特に、「役員/経営者」と「専門職」では、週6日以上や、1日9時間以上働く人も少なくありません。

一方、「自営業/フリーランス」と「パート/アルバイト」では、週5日や、1日8時間という規定に拘束されません。

自由な日数や時間で働こうと思うと、「パート/アルバイト」か「自営業/フリーランス」を選ぶしかないのは、60歳までの現役世代と変わりがないということが分かります。

ただし、「自営業/フリーランス」については、勤務日数/時間ともに個人差が大きいことを忘れてはいけません。

例えば、休みなしで「週7日」働いている人の割合が、一番高いのは「役員/経営者」ですが、次に多いのが「自営業/フリーランス」です。

「週6日」以上働いている割合では「役員/経営者」よりも多くなっています。

働き方に制限がなく、思ったように力を尽くせるという点では、「役員/経営者」と「自営業/フリーランス」は、よく似た職業なのです。

逆に言えば、自分自身以外にリミッターが無い状態ですから、気力体力と相談しながら仕事をすることが必要でしょう。

出典:データを基に編集部が作成
[シニアガイド編集部]