グラフで分かるシングルマザーとシングルファーザーの特徴
「ひとり親世帯」の実状
厚労省が「全国ひとり親世帯等調査」の結果を公開しています。
「ひとり親世帯」というのは、どちらか片方の親と未成年の子供を含む世帯の総称です。
調査結果を読んで分かるのは、同じ「ひとり親世帯」であっても、「シングルマザー(母子家庭)」と「シングルファーザー(父子家庭)」では、経済面などで大きな差があることです。
両者の違いが分かりやすいように、いくつかのデータを、シングルマザーとシングルファーザーを並べる形でグラフにしました。
子供がいる家庭で、「離婚」や「離婚後の生活設計」を考える際の参考にしてください。
「ひとり親世帯」の理由は「離婚」が8割
「ひとり親世帯になった理由」で一番多いのは「離婚」です。
「離婚」の割合は女性の方が高く、80%を超えます。
また、女性は、配偶者の蒸発や、未婚での出産を含む「離婚以外の生別」も多くなっています。
「ひとり親」になる年齢は「30代」が中心
「ひとり親世帯になったときの自分の年齢」の平均年齢は、女性が「33.8歳」、男性が「39.3歳」でした。
年代別の人数で見ても、男女とも「30代」が一番多くなっています。
女性の方が、やや年齢が低く、「20歳未満」や「20代」の割合が高くなっています。
男性は全体的に年齢が高く、「50代」が10%、「60代」も1%います。
シングルファーザーは子供の年齢が高い
「ひとり親世帯になったときの末子(末っ子)の年齢」でも、男女差があります。
平均年齢は、シングルマザーでは「4.4歳」、シングルファーザーでは「6.5歳」で、シングルマザーの方が2歳も小さいことが分かります。
シングルマザーの末子は「0~2歳」が一番多く、5歳までの「未就学児童」が半分を超えています。
つまり、シングルマザーの2人に1人は、子供が小学校に上がる前に「ひとり親世帯」になっています。
シングルファーザーは末子の年齢が高く、未就学児童だけでは半分に届きません。
それでも、小学生まで含めると7割を超えており、子供が中学校に上がる前に「ひとり親世帯」になっていることが分かります。
シングルマザーは収入が少ない
「ひとり親の就業状態」を見ると、男女間で、大きな差があることが分かります。
男性の68.2%は「正社員」ですが、女性は「44.2%」に留まります。
その分、女性は「パート/アルバイト」が多く「43.8%」もあります。
雇用形態の違いは、収入にも影響します。
年収を見ると、女性は自分自身で稼いでいる分が「243万円」、同居人を含めた世帯全体でも「348万円」です。
男性は、自分自身で稼いでいる分が「420万円」、世帯全体では「573万円」です。
同じ、ひとり親世帯と言っても、シングルマザーとシングルファーザーでは、数百万円の年収差があります。
シングルマザーには経済面や就労の支援が重要
ここで見たデータだけでも、シングルマザーは年齢が若く、子供が小さく、収入も少ないことが分かります。
このため、シングルマザーに対しては、児童手当や公共料金の減免などの経済的な支援が、重要です。
また、働き口を探すことや、保育所の確保など、就労に関する援助も重要であることがわかります。