2040年には、65歳以上の男性の5人に1人、女性は4人に1人が一人暮らし

[2018/1/15 00:00]

一人暮らしの高齢者が大幅に増加

国立社会保障・人口問題研究所が、「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」を公開しました。

これは、2015年の国勢調査のデータを基に、2015~40年の25年間について推計を行なったものです。

ここでは、その中から、高齢者の一人暮らしに関わる「未婚率」と「独居率」の変化を紹介します。
いずれも、大幅な上昇が見込まれており、2040年の時点では、一人暮らしの高齢者が増えることを前提とした施策が必要となることが分かります。

65歳までの未婚率は現在の2倍に

今後50歳未満の未婚率の上昇幅は小さく、場合によっては未婚率が低下する年齢層もあります。

しかし、過去数十年間に渡って進行した未婚化によって、高齢者の未婚率は大幅に上昇します。

これは、現在の高齢者が、未婚が少なかった1970年代までに結婚適齢期を終えたのに対し、今後は未婚が珍しくなくなった世代が高齢期に入るためです。

65歳以上の未婚率は、2015年には男性5.9%、女性4.5%であるのに対し、2040年には男性「14.9%」、女性「9.9%」と、2倍以上に増加します。

75歳以上の未婚率も、2015年の男性2.6%、女性3.9%から、2040年には男性「10.2%」、女性「6.5%」まで上昇します。

特に、75歳以上の男性の未婚率は、2015年から2040年の間に、4倍近くも増加する見込みです。

出典:データを基に編集部が作成

男性高齢者の一人暮らしが増える

その年代の人口を分母にして、一人暮らし(独居者)の数を、「独居率」として計算しています。

65歳以上の男性の独居率は、2015年の14.0%から2040年の「20.8%」へ大きく上昇します。

「65歳以上の男性の5人に1人は一人暮らし」という状況になります。

75歳以上の独居率も、12.8%から「18.4%」へと上昇します。

女性の65歳以上の独居率も、2015年の21.8%から2040年の「24.5%」まで上昇が見込まれます。

しかし、75歳以上に限定すると、独居率は26%前後で推移する見込みで、ほとんど上昇しません。

しかし、「75歳以上の女性のうち、4人に1人は一人暮らしである」ということが、重要な事実であることは変わりません。

出典:データを基に編集部が作成

男女とも、一人暮らしへの準備が必要

2040年までの推移を見ると、高齢者の「未婚率」は大きく上昇しますが、それに比べると「独居率」は上がりません。

これは、75歳以上女性の未婚率の上昇が小幅にとどまることと、夫の死亡率が低下することで「死別」による妻の独居が減るためです。

ただし、平均寿命の差は残っていますから、2040年の75歳以上の独居者は、男性が「18.4%」に留まるのに対し、女性は「25.8%」と高くなっています。

一人暮らしに対する準備が必要になることは男女とも変わりませんが、特に女性は、最終的には一人暮らしになることを前提として、お金や住まいなどの対策を考えておきましょう。

[シニアガイド編集部]