昨年の確定申告者は「2,169万人」、半分以上が「還付申告」
確定申告は2月16日から受付開始
平成29年分の所得税の確定申告の受付期間は、2018年2月16日(金)から3月15日(木)です。
申告に伴う作業をしていると、「なぜ、自分だけがこんなことをしなければならないのだろう」と思いませんか。いったい、世の中に同じことをやっている人は、何人ぐらいいるのだろうかと。
そこで、去年、確定申告をした人が、どれぐらいいるのか調べてみました。
なお、ここでは「消費税」や「贈与税」は抜きにして、「所得税」の確定申告に絞っています。
単に「確定申告」と言っているときは「所得税の確定申告」を指すと思ってください。
「還付申告」の人が半分以上
昨年、平成28年分の確定申告をした人は「2,169万人」でした。
そして、そのうちの「58%」に当たる「1,258万人」が、医療費控除などの還付を受ける「還付申告」です。
意外なほど多くの人が、還付申告をして、税金を取り戻していることが分かります。
還付申告すれば税金が戻ってくるけど、まだ、やったことがないという人も多いと思いますが、これだけ多くのお仲間がいるのですから挑戦してみましょう。
「事業所得者」は少数派
確定申告をした人のうち、「申告納税額アリ」、つまり税金を納める人は「637万人」です。
このうち、フリーランス(自営業)などの「事業所得者」は「173万人」で、全体の27%しか占めていません。
実は、確定申告をしている納税者は、土地や株式の譲渡などで収入を得ている人の方が多いのです。
あなたがフリーランスで、確定申告に伴う作業で追い込まれていても、173万人はお仲間がいるわけです。孤独感を感じる必要はありません。
なお、所得が少なく「申告納税額ナシ」の人が「274万人」いますが、こちらにも事業所得者は含まれています。
6割以上がパソコンを使って申告
ここからは、パソコンを利用した確定申告について見てみましょう。
2,169万人の確定申告者のうち、「1,335万人」は、パソコンを使って申告しています。
パソコンを使っている割合は「62%」で、すでに半数を超えています。
あとで述べるように、これは把握できている最低限の数字で、もっと多くの人がパソコンを使って確定している可能性があります。
税務署のパソコンから申告する人も多い
パソコンを使った申告を、方法別に見てみましょう。
一番多いのは、「税務署のパソコン+e-Tax(イータックス)」です。
「e-Tax」は、インターネット経由で行なう電子申告です。
次に多いのが「国税庁公式の“確定申告書等作成コーナー”+書面」です。
つまり、申告書は国税庁のサイトにある「確定申告書等作成コーナー」で作りますが、e-Taxではなく、印刷した書面で申告しています。
自宅からe-Taxをするためには、マイナンバーカードを取得したり、ICカードリーダーを準備する手間が必要なので、プリントアウトして、税務署に持参するか郵送する人が多いのでしょう。
三番目に多いのが「各種ソフト+e-Tax」です。
アプリやクラウドなどの会計ソフトを使って、そのままe-Taxで申告しています。
現在、パソコンで申告をしている人は、ここまでのどれかを利用しています。
ただし、ここには「各種ソフトを利用+書面で申告」というパターンが抜けています。
なぜなら、「確定申告書等作成コーナー」以外の会計ソフトを使って、申告書を印刷し、「書面」で提出されている人の人数は、税務署側では把握できないのです。
したがって、パソコンを使って確定申告をしている人は、少なくとも「62%」であって、実際にはもっと多いと思った方が良いでしょう。
パソコンを利用する最大のメリットは、所得税の制度が変わったことを把握していなくても税額が自動的に計算されることです。もちろん、計算ミスもありません。
まだ、手書きで申告書を作成している人は、2018年分からは導入することをお勧めします。