死亡事故を起こした高齢運転者の半分は認知機能が低下
交通事故全体の死者数は過去最低
2017年(平成29年)の交通事故件数は「42万2,165件」でした。
うち、死亡事故は「3,630件」で、死者数は「3,694人」です。
件数、死者数とも前年より減少しています。
特に、死者数は昨年よりも210人少なく、これまで一番少なかった1948年(昭和23年)の3,848人を抜いて、記録が残っている中では最小となりました。
高齢運転者による死亡事故は、やや減少
このうち、75歳以上の高齢運転者による死亡事故は「418件」でした。
これは死亡事故全体の12.9%を占めています。
前年に比べて高齢運転者による事故件数、構成比とも少し下がりました。
75歳以上は「車両単独」の事故が多い
75歳以上の高齢運転者による死亡事故の内容を見ると、「車両単独」の事故が多いのが特徴です。
具体的には、ガードレールなどにぶつかる「工作物衝突」や、道路からはみ出してしまう「路外逸脱」の割合が高くなります。
また「人対車両」の事故でも、「出会い頭の衝突」や「正面衝突」が増えます。
「ブレーキとアクセルの踏み間違え」が多い
これらの事故が増えた要因としては、高齢運転者自身に原因があります。
具体的には「ハンドルの切り損ね(操作不適)」や「ブレーキとアクセルの踏み間違え」など、「操作不適」による事故が多くなっています。
特に、「ブレーキとアクセルの踏み間違え」が多くなっています。
死亡事故を起こした運転者の半数は認知機能が低下
現在、75歳以上の運転免許証所持者は、免許の更新時に「認知機能検査」が義務付けられています。
死亡事故を起こした高齢運転者に限定すると、「認知症のおそれがある」とされる「第1分類」は7%、「認知機能が低下しているおそれがある」とされる「第2分類」は42%で、合計49%が認知機能が低下していると判断されていました。
これは、認知機能検査を受けた人に比べて、17%も多くなっています。
警察庁では「認知機能の低下が死亡事故の発生に影響を及ぼしているものと推察される」としています。