公正取引委員会のアンケートで分かったフリーランスの「実状」

[2018/2/22 00:00]

フリーランス自身に聞いたアンケート

公正取引委員会が、フリーランスに関するアンケートの結果を公開しています。

このインターネットアンケートは、2017年10月に行なわれ、549人のフリーランスが回答しています。

もともと、このアンケートは、公取委の「人材と競争政策に関する検討会」が人材獲得競争の調査の一環として行なったものです。

しかし、フリーランスの実態に関する質問も回答が公開されており、リアルな収入などが分かる資料となっています。

フリーランスの業種

フリーランスの「業種」を聞いています。

一番多いのは、コンテンツを作成する「記者、編集者、ライター」でした。

ほぼ同じぐらい「技術開発関連」がいます。これはWebやコンピューター系の開発者が中心でしょう。

三番目は「アニメ関連、デザイナーなど」が続いています。

出典:公取委

5年以上活動している人が多い

フリーランスとしての活動歴は、「5年以上」が一番多く、ほぼ半分を占めてます。

自分がフリーランスであると自覚してアンケートに回答している人達なので、ある程度の実績がある人が多いのでしょう。

出典:公取委

手取りの年収は「100~300万円」

「手取りの年収」を聞いています。

一番多いのは「100~300万円」で、次が「300~500万円」でした。

この2つで、回答者のほぼ半分を占めています。

「900万円以上」の手取りがある人は、ほぼ10%しかいません。

出典:公取委

契約書を交わしているのは6割強

このアンケートの本来の目的である労働状況の把握のために、発注時に契約内容を書面で交わしているかどうかを聞いています。

一番多いのは「おおむね交付されている」で、次が「交付されている」でした。

回答者の60%以上は、契約時に書面を交わしていることがわかります。

しかし、残りの35%は「おおむね交付されていない」「交付されていない」で、口頭での発注だけで済まされていることが分かります。

出典:公取委

契約時にフリーランスの立場は弱い

契約の書面化率からも分かるように、フリーランスは、発注先に対して弱い立場に置かれています。

ここでは、アンケートに寄せられたコメントから、発注先との関係の実状が伝わってくるものを紹介しましょう。

  • 仕事を請(う)ける立場であるため、事前の交渉は難しい。継続した依頼主の場合、断られることで今後の生活設計に影響する。【企画関連、コンサルティグ】
  • 金額のことを持ち出し、先方が面倒になり発注がなくなることは「収入ゼロ」を意味し、大変なリスクであるため、余程の場合にしか金額に関しては、ものを言わないようにしている。【書籍等の校正、校閲者】
  • (事前通達や合意なしに)一方的に業務を打ち切られることがある。それに不服を申し立てると二度と仕事は来ないし、同業他社に悪い噂を流される。契約が個人事業主にとって圧倒的に不利である。【著述家】
  • キャンセルになった仕事の分を、自分で新しく探さねばならず、ひと月強ほど、収入が減少した。【音楽家、舞踏演出芸】
  • 言われたことに納得がいかず反発したり断ったりすると「仕事なくなるよ」等の脅迫的言辞を幾度となく言われたことがある。実際そうなると思ったし、業界丸ごとそうなっているのは事実であるから仕方なく従わざるを得ない。【芸能関連】

フリーランスへの発注については、一部の企業では「下請法(したうけほう)」の適用によって、発注の書面化や、無理な値下げ要請の摘発などが進んでいます。

しかし、多くの現場では、口頭での発注や、立場の弱さにつけこんだ発注が、まだ横行していることが、このアンケートからも分かります。

[シニアガイド編集部]