いつでもどこでもネットで学べるオンライン大学講座
授業の感覚が思い出せる「オンライン講座」
「暇ができたら、もう一度大学に通って勉強したい」という希望を持ってらっしゃる方は多いでしょう。
迎え入れる大学側も、社会人入学制度を用意したり、社会人向けの教養コースなどを設置している例が多くなっています。
ただし、大学への入学金や、通学の時間などは負担ですし、そもそも机に座って授業を聞く「座学」自体が久しぶりで慣れないという人もいます。
資格や単位の取得など、大学に通う目的がはっきりしている場合は良いのですが、「何か学びたい」というぼんやりとした目的の場合は、教育課程の最後までたどり着けないことも多いと聞きます。
そういうときに、「お試し」としてお勧めしたいのが、スマホやパソコンによる「オンライン講座」です。
ここでは、大学の教養課程レベルの授業を、無料で視聴できるオンラインサイトを2つ紹介します。
無料で学べる日本最大のオンライン大学講座
「JMOOC(ジェイムーク)」は、「無料で学べる日本最大のオンライン大学講座」を称する大規模なサイトです。
運営団体は、一般社団法人 日本オープンオンライン教育推進協議会です。
1つの講座は4週間を単位としています。
授業は動画ベースで、1本の動画は10分程度です。
動画を視聴する度に、小テストを受けて内容を確認します。
1週間に5~10本の動画を見ると、課題が提示されるので、提出期限内に提出します。
これを4週間繰り返して、最後に総合課題を提出します。
毎週の課題と、最後の総合課題の点が基準に達していれば「修了証」が貰えます。
講座はジャンル別に検索でき、文系から理系まで一通り揃っています。
JMOOCの特徴は、いつでも参加できるのではなく、「開講」の期間が決まっていることです。
これは、期限を設けることで、「いつでもできるから、そのうちやればいいや」という事態を避けるためでしょう。
とりあえず、JMOOCのサイトで、どんな内容の講座があるのか、チェックしてください。
海外の授業を日本語字幕で受けられる
「Asuka Academy(アスカアカデミー)」のキャッチコピーは「世界最高の大学講義を日本語で無料で学ぼう!」です。
JMOOCが国内の大学による講座が中心なのに対し、Asuka Academyは海外の大学が提供しているオンラインの授業を、日本語の字幕付きで配信しています。
提供されている授業は、マサチューセッツ工科大学(MIT)を始め、イェール大学、カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)など多岐に渡ります。
アメリカだけではなく、オランダのデルフト工科大学(TU Delft)の授業や、フランスのAFP通信による教養講座もあります。
Asuka AcademyはNPO法人で、日本語の字幕は、ボランティアの方が翻訳してくださったものが提供されています。
動画は、英語と日本語の字幕を同時または、どちらか片方だけ表示することができます。
いくつかの講座では、Asuka Academyが独自に作成した認定問題が用意され、回答が認定基準に達していると、独自の修了証書が貰えます。
まずは、Asuka Academyのサイトを、チェックしてください。
もし、難しそうなものばかりだと感じる方は、AFPが提供している「ワールド・グルメ」のサンプルがおすすめです。
また、Asuka Academyでは、翻訳ボランティアの参加も呼びかけています。
翻訳やボランティアに興味のある方は、そういう参加の方法を検討しても良いでしょう。
「修了証」の意味
JMOOCやAsuka Academyが提供してる「修了証」は、学位ではなく、単位でもありません。
世間的価値からすれば、「修了証」は、何かを学んだというシンボル以上のものではありません。
そのため、このような修了証を「意味がない」という人もいます。
しかし、やってみるとわかりますが、「修了証」が貰えると分かっているだけで、授業への身の入れ方が変わります。
なにか目標があって、それを成し遂げたという「証(あかし)」として、修了証は大変意味のあるものです。
たとえ、それがデジタルデータであったとしても、授業を受けた人にとって、修了証は努力の証であり、何かを学んだというシンボルになるのです。
今回紹介した、JMOOCとAsuka Academyでは、課金は一切ありません。
まずは登録して、最初の「修了証」を目指してみましょう。
それを手に入れる頃には、自分が大学へ行きたいと思った目的は何だったのかも、はっきりとしてくるでしょう。
その時点で、また次のコースを考えれば、道が開けてくるでしょう。
【お知らせ】2018年11月13日に、Asuka Academyの翻訳ボランティアについて追記しました。