孤独死の82%は男性。年齢は60代が最多
2千件を超えるデータで分かる孤独死のプロフィール
日本少額短期保険協会が「孤独死現状レポート」を公開しています。
この協会に加入している少額保険会社では、賃貸住宅のオーナー向けに「孤独死保険」を販売しています。
「孤独死保険」は、加入しているアパートやマンションで、孤独死者が出た場合に、後始末を行なうための費用を補償する保険です。
今回のレポートでは、2015年4月から2018年2月までの、孤独死保険の保険金の支払実績のデータを分析したものです。
集められた実例は2千件を超えており、孤独死された方のプロフィールが良く分かるデータとなっています。
データ量が多いので、グラフを中心に紹介します。
孤独死は男性に多い
孤独死者の82%は「男性」で、「女性」は18%しかいません。
孤独死は「60代」が多い
年齢別で見ると、男女とも「60代」が一番多くなっています。
平均年齢で見ても、男性が「60.8歳」、女性が「60.7歳」でした。
6割以上は「病死」
孤独死の原因は、「病死」が一番多く、6割を超えています。
二番目に多い「自殺」は1割強です。
第一発見者は「管理人」
孤独死の第一発見者は、共同住宅の管理人などの「管理」が一番多くなっています。
次が、「福祉関係者」でした。
いずれも、職業上の関係者で、「親族」や「友人」などの近親者に見つかる人は少ないことが分かります。
「他人」とあるのは、近隣の住民などです。
なお、女性は近親者に見つかる割合が高い傾向があります。男性は、日常生活における、周りの人達との人間関係が薄いのかもしれません。
見つかる原因は音信不通
孤独死が見つかる原因は、「訪問/音信不通」が一番多く6割を占めています。
訪問や音信不通の場合は、発見までの日数が短く、平均14日で見つかっています。
4割は「3日以内」に見つかる
孤独死者が発見されるまでの日数は、「3日以内」が一番多くなっています。
特に、女性は48.7%が「3日以内」に発見されています。
男性に比べて人との交流があるので、音信不通を不審に思って訪ねてくれる人が多いのでしょう。
「関西」は平均11日、「北陸/中部」は23日かかる
発見までの平均日数は、平均で「17日」でした。
地域別に見ると、関西が一番短く、「11日」でした。
一方、北陸/中部は「23日」を要しています。
孤独死は平均で60万円の損害
最後に、孤独死による経済的な損害を、孤独死保険で支払われた保険金のデータから見てみましょう。
孤独死した人が残した家具などの処理を表す「残置物処理費用」の平均は「20万1,774円」でした。
また、清掃やリフォームなどを表す「原状回復費用」の平均は「39万1,541円」でした。
つまり、平均損害額の合計は約60万円になります。
さらに、状況が悪く、被害が大きい場合は、損害が数百万円単位になってしまいます。
孤独死による金銭的な影響は、想像以上に大きいのです。