23区内で急死した一人暮らしの人の死亡原因
急死した人の死因を調べる施設
東京都には、東京都監察医務院という施設があり、23区内において死因がわからず急に亡くなった方々や事故などで亡くなった人の死因を明らかにしています。
東京都監察医務院が公開している統計資料の中から、「一人暮らし」の死者について死因などを紹介します。
男性が68%を占める
2016年(平成28年)に、東京都監察医務院で取り扱った「一人暮らし」の死者数は「6,109人」でした。
ここ数年は、6千人前後で、あまり増減無く推移しています。
死者のうち、男性は4,136人、女性が1,973人で、男性が68%を占めています。
男性の方が、孤独な生活になりやすく、一人暮らしでの死亡が多いのでしょう。
男性は60代後半が危ない
死者の年齢分布を見ると、男女で大きな差があります。
男性は「65~69歳」にピークがあり、それ以降は少なくなります。
女性は、年齢が高くなるほど増え、「85歳以降」がピークとなります。
3分の2は病死
一人暮らしの死者の死因の3分の2は「病死」です。
2016年は、ちょうど4,000人が病死でした。
一人暮らしの死者というと、事故などの「不慮の外因死」や「自殺」を想像しやすいのですが、実は「病死」が一番多いのです。
病死の半分は「循環器系の疾患」
「病死」の死因を、もう少し詳しく見てみましょう。
4,000人の病死者のうち、半分以上が「循環器系の疾患」で占められています。
「循環器系の疾患」ではピンと来ませんが、一般には心臓発作や脳溢血(のういっけつ)などと呼ばれる病気が多くなっています。
その内訳は、心筋梗塞(こうそく)や虚血性心不全などの「虚血性心疾患」と、脳出血や脳梗塞などの「脳血管疾患」が大半を占めています。
「循環器系の疾患」による死者の年齢分布を見ると、男性は「60代後半」、女性は「85歳以上」がピークです。
これは、一人暮らしの死者の年齢分布とも、きれいに重なります。
これは、男女を問わず「循環器系の疾患」で死亡する比率が高いためです。
この病気が一人暮らしにとって、いかに怖い病気であるかが分かります。
特に男性は、「60代後半」から死者が増えて来ますが、実際には、それ以前からの高血圧や動脈硬化が影響します。
健康診断などで、血圧などに注意を受けるようになったら、健康状態の改善に努めましょう。