年収が一千万円以上あるのに、転職を考える理由
年収で変わる転職の理由
転職サイト「ミドルの転職」が、「転職についてのアンケート」の結果を公開しています。
2018年2月に行なわれたインターネットアンケートには、3,407人が回答しています。
このアンケートの特徴は、回答者を「年収が一千万円以上」と「年収が一千万円未満」に分けて集計していることです。
とくに年収による回答の違いが大きい「転職の理由」を中心に紹介します。
転職理由の前向き、後ろ向き
「転職を考えたきっかけ・理由」から見てみましょう。
「年収一千万円以上」の上位5つは、次のようになっています。
- 自分の能力を試したいから 29%
- 会社の考え・風土が合わない 28%
- 会社の将来に不安がある 23%
- キャリアアップのため 21%
- 職場の人間関係がよくない、上司や同僚と合わない 20%
「自分の能力を試したいから」と「キャリアアップのため」という、前向きな理由が2つも入っています。
一方、「年収が一千万円未満」では、5位までのすべてが、現状への不満を訴える後ろ向きな理由です。
- 会社の考え・風土が合わない 32%
- 会社の将来に不安がある 29%
- 職場の人間関係がよくない、上司や同僚と合わない 26%
- 給与に不満がある 26%
- 会社からの評価に不満がある 22%
「年収一千万円以上」と「年収一千万円未満」で、差が大きい項目を見てみましょう。
一番差が大きいのは「給与に不満がある」でした。「未満」では26%の人が挙げていますが、「以上」では8%でした。
むしろ、年収が一千万円以上なのに、8%もの人が給与に不満を抱いているということに驚くべきなのかもしれません。
「経験・能力が活かせるポジション」を実現したい
「転職で実現したいこと」は、「年収一千万円以上」と「年収一千万円未満」の、上位5位までは同じです。
- 経験・能力が活かせるポジションへの転職
- やりたい仕事ができる環境での就業
- 自分が成長できる環境での就業
- 給与・待遇のアップ
- 安定的・長期的な就業の確保
ただし、内容を見ると、それぞれの項目を選んでいる率に差があります。
例えば、「一千万円以上」では「経験・能力が活かせるポジションへの転職」を希望する人が多く、77%の人が希望しています。「未満」とは14%も差があります。
一方、「未満」では「給与・待遇のアップ」を挙げる人が多く、48%の人が挙げています。「以上」とは22%も差があります。
収入が満たされているのに転職する理由
両者の回答をまとめてみましょう。
「年収一千万円以上」の人は、ポジティブな回答が多く、「自分の能力を試したいから」と「キャリアアップのため」に「経験・能力が活かせるポジションへの転職」という人が多いことが分かりました。
一方、「年収一千万円未満」の人は、「給与」を始めとする現在の会社への不満が強く、「給与・待遇のアップ」を求める傾向が強いことが分かります。
現在、「年収一千万円以上」であるということは、現在の会社で一定以上の評価を得ていることを表しています。
そのような環境にありながら転職を考える人が求めているのは、「やりがい」であり、「モチベーションが持てる仕事」なのでしょう。