初めて「喪主」を務めたのは「父の葬儀」、平均年齢は「47.1歳」
「喪主」経験者へのアンケート
葬祭業者の公益社が、「葬儀に関する実態調査」の結果を公開しています。
2018年3月に行なわれたインターネットアンケートには、「喪主」(もしゅ)の経験がある、20代から80代の男女500人が回答しています。
「喪主」とは、葬儀を中心となって行なう人のことで、葬儀社との交渉役でもあります。
初めて喪主を務めたのは「47.1歳」
喪主を初めて務めた年齢を聞いています。
平均年齢は「47.1歳」でした。
実際に「50歳未満で喪主を務めた」人が52%に達しています。
また、喪主に決まったのは「通夜の直前(当日/前日)」が一番多く、47%でした。
喪主になることが、その場で決まり、心の準備ができていないうちに臨まなければならないことが多いようです。
初めての喪主は「父」の葬儀
喪主を務めた際の故人は、「父」「母」「配偶者」の順でした。
初めて喪主を務めるのは、「父」の葬儀という人が多いようです。
生前に葬儀の話ができていた人は少ない
「故人の生前に、葬儀について十分な話ができていた」という人は15%しかいません。
つまり、生前にきちんと葬儀の話をしている人は、かなり少ないことが分かります。
61%の人は「話ができていなかった」としており、「話はしていたが、十分ではなかった」という人も24%います。
半分の人は葬儀を後悔している
「喪主を務めた葬儀において、後悔していることがある」人は、49%でした。
ほぼ半分の人が、葬儀に対して後悔しています。
後悔の内容は「準備不足」が多く、「本人の希望を聞いておけなかったこと、親戚や知人などの把握ができていなかったことなど、全てにおいて後悔している」(44歳女性)というコメントが代表的です。
また、「喪主を務めた葬儀において、想定外のことがあった」という人も、53%いました。
内容は費用や火葬場に関することが多く、次のような例がありました。
- 「葬儀の費用が想定の2倍以上になった」(61歳男性)
- 「冬場の混雑期で、火葬場がなかなか押さえられなかった」(73歳男性)
喪主になるための準備が必要
喪主は、葬儀を担う重要な役割ですが、誰が喪主になるのかというルールはありません。故人の家族が相談して、喪主を決めます。
そのため、故人が亡くなり、葬儀社に連絡を取った後で、喪主が決まることも珍しくありません。
つまり、故人と葬儀について相談するなどの準備などがなく、いきなり葬儀の責任者になってしまうのです。
そのため、初めての喪主では、葬儀の規模を誤ったり、葬儀社の誘いに乗って余計な出費をしてしまうことが起こりがちです。
喪主になる可能性が少しでもあるならば、その人の生前に少しずつ準備をしておきましょう。
例えば自分の親に、正面から葬儀の話を持ち出すと、「縁起が悪い」「早く死ねば良いと思っている」「葬儀なんかしなくて良い」などの反応が返ってくることが多く、本当の希望を聞き出すことができません。
親戚の葬儀に参列した折などに、「ああいうお葬式がいいね」とか「誰々さんは、お葬式には出てほしいね」などと、婉曲な形で本人の希望を聞き出すと良いでしょう。
また、都市部では、葬儀の形式や費用の多様化が進んでいます。
葬儀の規模の選択に迷った時は、参列してくれる人の顔や人数を考えて決めると、良いでしょう。