クラウドワーカーの8割は「年収50万円未満」
千人のクラウドワーカーから見える実状
「クラウドワーカー」というのは、自営業者であるフリーランスの働き方の1つです。
「新しい働き方」と夢を持って語る人もいますが、「単純作業を低賃金で請け負うだけのシステム」と酷評する人もいます。
ここでは、独立行政法人 労働政策研究・研修機構が行なった「独立自営業者の就業実態と意識に関する調査」の結果を基に、クラウドワーカーの実態を紹介します。
なお、この調査では、「クラウドワーカー」を「クラウドソーシングの会社を通じて、仕事先と取引している人」と定義しています。
2017年12月に行なわれたインターネットアンケートに、1,068人のクラウドワーカーが回答しています。
既婚者が6割、生計を担っている人は4割
まず、回答者であるクラウドワーカーのプロフィールを紹介します。
男女比は、女性がやや多く、5割を超えています。
年齢別では、25歳から44歳ぐらいがピークです。
年齢が高い人は少なく、55歳以上は全部合わせても1割弱しかいません。
パソコンなどある程度のITスキルが必要な働き方なのも影響しているのかもしれません。
結婚している人は6割を超えています。
最終学歴は「大学」が多く、ほぼ半分を占めます。
「自分」が家庭の生計を担っている、つまり生活費を負担している人は4割です。
そして、「自分以外」が4割、「双方」が2割という割合です。
クラウドワーカーの6割以上は1年未満しか経験がない
ここからは仕事の内容に踏み込みます。
経験年数は「1年未満」が6割を占めています。
半分以上の人が、クラウドワーカーになってから1年も経っていません。
次が「1~5年未満」で、3割です。
つまり、クラウドワーカーの9割は、5年未満の経験しかありません。
クラウドワーカーは、始めやすく、続けにくい働き方なのかもしれません。
専業クラウドワーカーは2割
クラウドワーカーを専業にしている人は2割強しかいません。
7割以上の人は、なんらかの仕事と兼業です。
職種は事務関連が多い
クラウドワーカーの職種は「事務関連」が半分です。
次が、医療、技術、講師、芸能、演奏などの「専門業務」です。
クラウドワークと聞いて連想しやすい、「IT関連」や「デザイン・映像製作関連」は1割未満です。
取引先の企業は「1社」が多い
取引先の企業数は、「1社」が5割を占めます。
次に多いのも「2~4社」でした。
4社以下で8割を超えており、あまり取引先を増やさない人が多いことが分かります。
作業日数は「月に7日以下」が多い
クラウドワーカーが1カ月に働く日数は「7日以下」が多く、5割を超えてます。
次に多いのも「8~14日」で、約2割です。
クラウドワーカーの作業日数は少なめで、22日以上働く人は1割しかいません。
クラウドワーカーの8割は「年収50万円未満」
クラウドワーカーの年間収入は、「50万円未満」が8割を超えます。
作業日数が少ないとはいえ、収入は低いと言えるでしょう。
クラウドワーカーを専業でやっている人だけに限定しても、「50万円未満」の割合は7割を超えます。
例えば、「IT関連で、月に22日以上働いたときの収入」など、作業日数や職種と収入との関連が知りたいところですが、今回の報告書は速報なので、そのあたりの相関関係が分かりません。
正式な報告書が出て、もう少し詳細が分かるようであれば、、クラウドワーカーの収入に限定して、改めて紹介します。