転職で「賃金が1割以上増えた人」の割合は30%
転職して高収入を得た人の割合
今の会社を辞めて、新しい会社に「転職」する理由の1つに「収入の増加」があります。
簡単に言えば「給料や賃金が低いから、もっと貰える会社に転職する」というパターンです。
では、実際に転職した人のうち、何%ぐらいの人が、転職後に高収入を勝ち取ったのでしょうか。
転職支援サービス「リクルートエージェント」が公開したデータをもとに検証してみましょう。
明確に賃金が上がった人は30%
リクルートエージェントが公開したのは、2018年1月~3月期に転職した人のうち、前職と比べて賃金が増加した人の割合です。
「前職と比べて、賃金が1割以上増加した転職者」の割合は「30.1%」でした。
逆に言えば、転職した人のうちの70%は、賃金が増えていないか、増えても1割以下です。
30%でも、過去最高の高水準
賃金が1割上がった人が「30.1%」というと、少なく感じますが、実は2002年以降では過去最高の高い水準です。
過去の履歴を見ると、だいたい25%前後が多く、リーマンショック当時は18.9%まで下がっていました。
ここ数年は、人手不足を反映して、徐々に上がってきていることが分かります。
残業代の有無を考えると1割でも大きな違い
なお、「賃金が1割増えた」と聞くと、「たった1割」と感じてしまい、上げ幅が少ないように見えます。
しかし、一般に前職の金額には「残業代」などの割増賃金が含まれているの対して、転職後の金額には含まれていません。
つまり、前の会社では残業代を前提とした収入なのに、転職後は残業代を考えず、しかも1割多い収入になっています。
そう考えると、かなり明確に収入が増加したことが分かります。
具体的な条件から欲しい金額を考えよう
転職を考え始めると、「今よりも5割とは言わないけれど、せめて3割は収入を増やしたい」などと、条件が膨らんでしまうことがあります。
しかし、賃金が1割以上増加した人の割合が「30.1%」という数字を見ると、これが大きすぎる期待であることが分かります。
例えば、「進んで残業をこなさなくても、生活が成り立つようにしたい」など、実現したい具体的な条件から、欲しい金額を考えると良いでしょう。
もちろん、「仕事内容にこだわりたい」「キャリアアップしたい」「どうしても正社員になりたい」など、転職によって実現したい、賃金以外の条件がある場合は、そちらとの優先順位も考えましょう。