転職で「賃金が1割以上増えた人」の割合は30%

[2018/4/12 00:00]

転職して高収入を得た人の割合

今の会社を辞めて、新しい会社に「転職」する理由の1つに「収入の増加」があります。

簡単に言えば「給料や賃金が低いから、もっと貰える会社に転職する」というパターンです。

では、実際に転職した人のうち、何%ぐらいの人が、転職後に高収入を勝ち取ったのでしょうか。

転職支援サービス「リクルートエージェント」が公開したデータをもとに検証してみましょう。

明確に賃金が上がった人は30%

リクルートエージェントが公開したのは、2018年1月~3月期に転職した人のうち、前職と比べて賃金が増加した人の割合です。

「前職と比べて、賃金が1割以上増加した転職者」の割合は「30.1%」でした。

逆に言えば、転職した人のうちの70%は、賃金が増えていないか、増えても1割以下です。

出典:リクルートエージェント

30%でも、過去最高の高水準

賃金が1割上がった人が「30.1%」というと、少なく感じますが、実は2002年以降では過去最高の高い水準です。

過去の履歴を見ると、だいたい25%前後が多く、リーマンショック当時は18.9%まで下がっていました。

ここ数年は、人手不足を反映して、徐々に上がってきていることが分かります。

出典:リクルートエージェント

残業代の有無を考えると1割でも大きな違い

なお、「賃金が1割増えた」と聞くと、「たった1割」と感じてしまい、上げ幅が少ないように見えます。

しかし、一般に前職の金額には「残業代」などの割増賃金が含まれているの対して、転職後の金額には含まれていません。

つまり、前の会社では残業代を前提とした収入なのに、転職後は残業代を考えず、しかも1割多い収入になっています。

そう考えると、かなり明確に収入が増加したことが分かります。

具体的な条件から欲しい金額を考えよう

転職を考え始めると、「今よりも5割とは言わないけれど、せめて3割は収入を増やしたい」などと、条件が膨らんでしまうことがあります。

しかし、賃金が1割以上増加した人の割合が「30.1%」という数字を見ると、これが大きすぎる期待であることが分かります。

例えば、「進んで残業をこなさなくても、生活が成り立つようにしたい」など、実現したい具体的な条件から、欲しい金額を考えると良いでしょう。

もちろん、「仕事内容にこだわりたい」「キャリアアップしたい」「どうしても正社員になりたい」など、転職によって実現したい、賃金以外の条件がある場合は、そちらとの優先順位も考えましょう。

[シニアガイド編集部]