震度7の地域では、2割以上の家が全損だった「熊本地震」
「熊本地震」から2年
2016年4月に発生し、最大震度7を記録した熊本地震から、2年が経ちました。
改めて、その被害の大きさを知るためのデータが、損害保険料率算出機構から公開されています。
このデータは、地震保険に加入していた家屋を対象として、その被災状況を示したものです。
なお、熊本地震で支払われた地震保険の保険金は、熊本県内だけで「3,533億円」に上りました。
「震度」と「被災状況」が確認できる
今回公開されたデータでは、地震の震度と、家屋の被災状況を、自治体単位で確認できます。
熊本地震は、4月14日の前震と、16日の本震がありました。
ここで示した震度は、そのうち大きい方の震度を表示しています。
また、熊本地震当時の地震保険では、家屋の被災状況を、「全損」「半損」「一部損」の3段階で認定していました。
なお、現在は「半損」が、「大半損」と「小半損」に分かれて、4段階となっています。
「震度7」の地域では、2割以上が「全損」だった
今回のデータで、「震度7」を記録している地域は、「益城町(ましきまち)」と「西原村(にしはらむら)」の2つでした。
いずれも、震源となった断層の真上にあたる地域です。
この2つの地区の被災状況を見ると、いずれも「全損」が20%を超えています。
熊本県全体では、「全損」は4.1%に留まっていますから、5倍以上の差があります。
震源付近の市町村では、全損となった割合が高いことが分かります。
なお、「全損」の割合が10%を超えているのは、他には「南阿蘇村(みなみあそむら)」「御船町(みふねまち)」「嘉島町(かしままち)」の3つでした。
この3つの地域も、震源となった断層に近く、「震度6強」または「震度6弱」を記録しています。。
改めて知る地震の怖さ
今回公開されたデータは、地震保険をベースにしているため、総ての家屋が対象とはなっていません。
地震があった2016年3月当時の、熊本県内の地震保険の世帯加入率は「29.8%」でした。
つまり、地震保険に入っていた世帯は、3分の1以下でした。
また、地震保険で「全損」と判定されるのは「建物の時価額の50%以上が損傷した場合」または「延べ床面積の70%以上が焼失/流出した場合」ですので、必ずしも100%壊れたわけではありません。
しかし、震源に近い地域では、被災した家屋の2割以上が「全損」だったという事実は、地震の怖さを改めて教えてくれます。
熊本県では、地震から1年経った2017年3月の時点で、地震保険の世帯加入率が「35.6%」になりました。
地震の怖さを知ったからこそ、地震保険に加入する人が、5%以上も増えたのです。
自宅の火災保険を更新する際には、地震保険にセットで入ることを検討してください。