住んでる場所で10歳も違う「市区町村別平均寿命」

[2018/4/19 00:00]

市区町村単位で見る平均寿命

厚労省が、平成27年の「市区町村別平均寿命」を公開しています。

平均寿命は0歳の平均余命で、その土地の保健や福祉の水準を総合的に表す指標です。

ここでは、平均寿命が長い自治体と、短い自治体の10位までを掲載しています。なお、10位と同じ数字になっている場合は、それも掲載しています。

なお、日本人の平均寿命は、「平成28年簡易生命表」によるものが最新で、男性が「80.98歳」、女性が87.14歳です。

しかし、この調査の時点では、男性が「80.8歳」、女性が「87.0歳」でした。全国と比べるときは、こちらを目安にしてください。

男性の平均寿命が長いのは「横浜市青葉区」

最初に、平均寿命が長い自治体を見ていきましょう。

男性の平均寿命の1位は「横浜市 青葉区」で「83.3歳」です。

全国平均の80.8歳よりも、2.5歳長くなっています。

2位も神奈川県で、「川崎市 麻生区」でした。

3位は「東京都 世田谷区」でした。

  1. 神奈川県 横浜市 青葉区 83.3歳
  2. 神奈川県 川崎市 麻生区 83.1歳
  3. 東京都 世田谷区 82.8歳
  4. 神奈川県 横浜市 都筑区 82.7歳
  5. 滋賀県 草津市 82.6歳
  6. 大阪府 吹田市 82.6歳
  7. 大阪府 箕面市 82.5歳
  8. 長野県 大町市 82.5歳
  9. 奈良県 生駒市 82.4歳
  10. 神奈川県 川崎市 宮前区 82.4歳
  11. 長野県 岡谷市 82.4歳
  12. 京都府 長岡京市 82.4歳

なお、50位までに入った自治体の数を県別に見ると、「長野県」が10,「神奈川県」が8、「東京都」が7でした。

女性の平均寿命が長いのは「沖縄県 北中城村」

女性の平均寿命の1位は、沖縄県沖縄本島の「中頭郡 北中城村」で、「89.0歳」でした。

全国平均の87.0歳よりも、2.0歳長くなっています。

2位と3位も沖縄県で「中頭郡 中城村」と「名護市」が入っています。

  1. 沖縄県 中頭郡 北中城村 89.0歳
  2. 沖縄県 中頭郡 中城村 88.8歳
  3. 沖縄県 名護市 88.8歳
  4. 神奈川県 川崎市 麻生区 88.6歳
  5. 石川県 野々市市 88.6歳
  6. 神奈川県 横浜市 都筑区 88.5歳
  7. 熊本県 菊池郡 菊陽町 88.5歳
  8. 東京都 世田谷区 88.5歳
  9. 神奈川県 横浜市 青葉区 88.5歳
  10. 神奈川県 川崎市 宮前区 88.4歳
  11. 長野県 佐久市 88.4歳
  12. 沖縄県 中頭郡 西原町 88.4歳

50位までに入った自治体の数を県別に見ると、「長野県」が9,「沖縄県」が7、「神奈川県」と「熊本県」が6でした。

長野県は、男女とも平均寿命が長い自治体が多く、長寿県ぶりが裏付けられる数字となっています。

男性の平均寿命が短い「大阪市 西成区」

こんどは、平均寿命が短い自治体を見ていきましょう。

男性の平均寿命が短い自治体の1位は「大阪市 西成区」で「73.5歳」でした。

全国平均の80.8歳よりも7.3歳、全国で一番長い「横浜市 青葉区」の83.3歳に比べると9.8歳も短くなっています。

つまり、男性の平均寿命が一番長い自治体と、一番短い自治体では、ほぼ10歳の差があります。

2位も大阪府で、「大阪市 浪速区」でした。

3位は「青森県 東津軽郡平内町」でした。

  1. 大阪府 大阪市 西成区 73.5歳
  2. 大阪府 大阪市 浪速区 77.5歳
  3. 青森県 東津軽郡 平内町 77.6歳
  4. 青森県 むつ市 78.1歳
  5. 青森県 北津軽郡 中泊町 78.1歳
  6. 青森県 上北郡 東北町 78.1歳
  7. 青森県 三戸郡 階上町 78.1歳
  8. 青森県 西津軽郡 深浦町 78.1歳
  9. 青森県 平川市 78.1歳
  10. 大阪府 大阪市 大正区 78.2歳
  11. 神奈川県 川崎市 川崎区 78.2歳

50位までに入った自治体の数を県別に見ると、「青森県」が多く31、次が「大阪府」で7、「鹿児島県」が3でした。

女性も「西成区」が最短

女性の平均寿命が短い自治体の1位も「大阪市 西成区」で「84.4歳」でした。

全国平均の87.0歳よりも2.6歳、全国で一番長い「中頭郡 北中城村」の89.0歳に比べると、4.6歳短くなっています。

男性に比べると、女性は自治体ごとの平均寿命の差が小さいことが分かります。

2位は「北海道 稚内市」、3位は「福島県 西白河郡 西郷村」でした。

  1. 大阪府 大阪市 西成区 84.4歳
  2. 北海道 稚内市 85.1歳
  3. 福島県 西白河郡 西郷村 85.2歳
  4. 青森県 東津軽郡 蓬田村 85.2歳
  5. 岩手県 釜石市 85.3歳
  6. 大阪府 大阪市 浪速区 85.3歳
  7. 福島県 双葉郡 広野町 85.3歳
  8. 青森県 三戸郡 三戸町 85.4歳
  9. 青森県 北津軽郡 板柳町 85.4歳
  10. 大阪府 大阪市 平野区 85.4歳
  11. 青森県 南津軽郡 藤崎町 85.4歳
  12. 青森県 東津軽郡 平内町 85.4歳

50位までに入った自治体の数を県別に見ると、「青森県」が15,次が「北海道」で7,「大阪府」が5でした。

青森県は、男女とも平均寿命が短い自治体が一番多く、県全体の平均寿命を押し下げています。

同じ県内でも平均寿命には差がある

今回のように市区町村別で平均寿命を見ると、同じ県や同じ市であっても、平均寿命には大きな差があることが分かります。

例えば、男性の平均寿命を大阪府内で見ると、一番長いのが「吹田市」で82.6歳、一番短いのが「西成区」で73.5歳でした。その差は9.1歳もあります。

もっと狭い範囲で見ても、意外に差が大きいところが見つかります。

例えば、神奈川県川崎市の男性の平均寿命を見ると、一番長い「麻生区」では83.1歳ですが、一番短い「川崎区」では78.2歳です。その差は4.9歳もあります。

平均寿命については、都道府県単位で語られることが多いのですが、実は同じ県内であっても、地域によって大きな差があることが珍しくありません。

一部の例外を除き、すべての自治体のデータが厚労省のサイトにExcel形式で公開されています。まず、お住まいの自治体の平均寿命を調べてみましょう。

また、転居などの際も、転居先の自治体の平均寿命を調べると、その土地の特性についてヒントが見つかるかもしれません。

[シニアガイド編集部]