遺言書や墓のありかを登録できる「わたしの終活登録」を、横須賀市が開始
「わたしの終活登録」という新制度
神奈川県 横須賀市が、2018年5月1日から「終活情報登録伝達事業」(通称:わたしの終活登録)という新しい制度を始めます。
この制度は、あらかじめ登録された個人情報を、横須賀市が病院/消防/警察/福祉事務所などに伝えるものです。
例えば、一人暮らしの人が倒れたり、亡くなったときに、本人の情報が分からなくて対応に困ることがあります。
さらに、この制度では、一般的な個人情報に加え、「リビングウィル(延命治療意思の表明)」や「エンディングノート」「遺言書」など、自分の意志や終活に関わる情報も登録することができます。
登録するための条件は特になく、希望する市民であればだれでも登録できます。
「遺言書のありか」や「墓の所在地」も登録できる
登録できる情報は、次の11項目が基本ですが、すべてを記入する必要はありません。
また、登録する項目の追加もできます。
- 本人の氏名、本籍、住所、生年月日
- 緊急連絡先
- 支援事業所等
- かかりつけ医師やアレルギー等
- リビングウィルの保管場所/預け先
- エンディングノートの保管場所/預け先
- 臓器提供意思
- 葬儀や遺品整理の生前契約先
- 遺言書の保管場所と、その場所を開示する対象者の指定
- 墓の所在地
- 本人の自由登録事項
開示先は公的機関と、指定された個人が基本
情報の公開先は、次のように決められています。
登録した本人が認知症や意識障害などの理由で、登録内容が伝えられなくなったと確認できた場合は、医療機関、消防署、警察署、福祉事務所、および本人が指定した者からの照会に対して開示されます。
ただし、「遺言書の保管場所」と「墓の所在地」は、開示の対象となりません。
登録した本人が死亡した場合は、「遺言書の保管場所」については、本人が指定した者に対してのみ伝えられます。「墓の所在地」については、納骨と墓参を希望する、すべての第三者に開示されます。
一人暮らし対策の一環として導入
横須賀市では、2015年から「エンディングプラン・サポート事業」という名称で、一人暮らしの人の終活に関する課題について、相談を受けて支援プランを作る制度を設けています。
今回の「わたしの終活登録」は、それを一歩進めたもので、あらかじめ情報を登録しておくことによって、本人の意思が実現されるように支援します。
横須賀市に限らず、一人暮らしの高齢者が多い地域では、導入を検討してほしい制度です。