人はどんな悩みや不安を抱えて生きているのか
世間の人も「悩み」や「不安」を感じているのか
どんなに順調な状態であっても、「何か悪いことが起きるのではないか」という不安が無くなることはありません。
不安が、具体的な悩みとなって現われ、その解決を迫られている人もいるでしょう。
そんな悩みや不安について、自分以外の人たちは、どのように感じているのでしょうか。
内閣府が行なった世論調査の結果をもとにして考えてみましょう。
半分以上の人は「不安」を抱えながら生きている
街を歩く人の笑顔を見ると、「こんな悩みや不安を抱えているのは、自分一人ではないか」と感じることがあります。
しかし、過去30年以上の調査結果を見ても、ごく一部の時期を除いて、常に50%以上の人は「悩みや不安を感じている」と回答しています。
特に、2000年代に入ってからは、60%以上の人が不安を感じています。
悩みや不安があることは特別なことではありません。悩みや不安を感じながら生きている人の方が多いのです。
一番多い悩みは「老後の生活設計」
人は、どのような悩みや不安を感じているのでしょう。
2017年の調査結果を見ると、一番多い悩みは「老後の生活設計」でした。
次に多いのが「自分の健康」です。
悩みや不安がある人の半分以上が、この2つを挙げています。
なお、家族と自分の「生活上の問題」という項目は、解答用紙では「生活(進学、就職、結婚、子育てなど)上の問題」と書かれていました。
つまり、進路や結婚など、人生の分岐点でも選択の問題と考えて良いでしょう。
また、悩みや不安として挙げられている項目を見ると、「金銭」「健康」「人生の選択」「人間関係」が、原因になっていることが分かります。
年齢や性別によって不安の内容は異なる
もちろん、年齢や性別が違えば、悩みや不安の内容も異なります。
ここでは典型的な2つの例を見てみましょう。
まず、「老後の生活設計」は、若い人よりも年齢が高い人の方が、不安が強くなります。
ただし、ピークは50代で、70歳以上になると少なくなります。
定年退職を迎え、年金が出る時期に入ると、それなりに生活が落ち着いてくるのでしょう。
各年代とも、女性の方が不安を感じています。
一方、「自分の生活(進学、就職、結婚、子育てなど)上の問題」は、年齢が若いほど強く感じています。
特に、若い女性は、半分以上の人が「生活上の問題」について悩んでいます。
信頼できる人に相談することも考えよう
「悩みや不安の内容」の、どの項目を見ても、簡単に解決できることではありません。
こうすれば、必ず解決できるという方法が無い問題の方が多いからです。
しかし、自分一人では解決が難しい問題でも、誰かの知恵を借りることはできます。
思い悩んだときは、自分が信頼できる人や、専門知識のある人に相談することも考えてみましょう。
誰かに、悩みや不安の内容を話していると、自分の悩んでいることの姿がはっきりし、立ち向かう方法が浮かんでくるものです。