その年に亡くなった親は、扶養控除の対象にして良いのか

[2018/5/21 00:00]

親族を養っていると「扶養控除」が受けられる

年末調整や確定申告の際に、自分が養っている家族や親族がいると、「扶養控除」が受けられます。
扶養控除を受けると、その分、税金が安くなります。

扶養にできる人には、いくつかの条件があります。

  • 配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族)、または都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること
  • 納税者と生計を一にしていること
  • 1年間の合計所得金額が38万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
  • 青色申告者の事業専従者や、白色申告者の事業専従者でないこと

そして、「その年の12月31日現在の年齢が16歳以上」という条件もあります。

ざっくり言うと、自分が生活費を出している家族や親戚で、本人の給与による年収が103万円以下であれば、ほぼ該当します。

例えば、「自分が仕送りをしている親」を扶養控除の対象としている人は多いでしょう。

亡くなった年は扶養控除として良い

扶養控除に該当するかどうかは、年末の12月31日の状況で決めます。

その時点でなければ、その年の収入が、扶養控除の要件を満たしているかどうかが判定できないからです。

では、扶養控除の対象としている人が、年の途中で死去した場合は、扶養に入れられるのでしょうか、それとも、入れられないのでしょうか。

この場合は、「入れて良い」ことになっています。

なぜなら、12月31日時点では死去していても、その年の1月1日から、死去した時点までは扶養していたという事実があるからです。

しかも、何月に死去しても、扶養控除の金額は変わりません。

例えば、その年の1月に死去した場合でも、12分の1ではなく、丸々1年分の控除が受けられます。

「扶養控除」の金額は、状況に応じて「38万円」から「63万円」の範囲で変わります。

70歳以上の親の場合、同居していれば「58万円」、同居していなくても「48万円」です。

これだけ、控除額があると、控除の有無で、税金の金額に差が出ます。

基本は12月31日の状況で見るけれど

「扶養控除」の基本ルールは、「その年の12月31日の現況を基とする」です。

これは良く知られたルールなので、年の途中で対象となる人が死去した親族については、扶養控除から外してしまう人も多いでしょう。

しかし、死去した、その年は「扶養控除」は、このルールの例外なのです。

その年に死亡した親族は、次の確定申告では扶養控除の対象となります。

年末調整や確定申告の書類を作成するときには、忘れずに記入しましょう。

[シニアガイド編集部]