賃貸住宅の経営で、トラブルがない人は10人に1人しかいない
[2018/6/14 00:00]
実際の大家さんによるリアルなトラブル例
賃貸経営情報誌「オーナーズ・スタイル」が、「これまで起きた入居者トラブルについてのアンケート調査」の結果を公開しています。
これは「オーナーズ・スタイル」首都圏版と関西版に、郵送でアンケートを行なったものです。
最終的な有効回答者数は928人でした。
思いつくようなことは、ほとんど起きている
実際に賃貸住宅を経営している人が回答しているだけにリアリティのある恐ろしいトラブルが、たくさん起きています。
複数回答の回答が多い順に見ていきましょう。
1位~10位
一番多いのは「家賃の滞納」でした。
大家さんの3人に1人以上が体験しており、珍しいことではないようです。
- 家賃滞納、入金の遅れ 38.3%
- 室内の汚損 30.8%
- ゴミ出しマナーが守られない 29.3%
- 粗大ごみの不法投棄 21.3%
- 退去時の敷金返還でもめた 20.6%
- 入居者同士のトラブル(騒音など) 20.6%
- 廊下などの共用部に物を置かれた 19.6%
- 集合ポスト付近のチラシ等の散乱 15.8%
- 家賃滞納で強制退去 12.4%
- ペット不可なのにペットを飼われた 12.4%
11位~
さらに見ていくと、「部屋がゴミ屋敷に」「火事・ボヤ」「入居者の孤独死」「敷地内の自殺」など、賃貸住宅としての価値が無くなってしまうような大きなトラブルが起きています。
また、「契約書に書かれていない人が住んでいた」「反社会的勢力だった」などのトラブルは地味に見えますが、解決に至るまでには多くの手間がかかることが予想されます。
- 室内がゴミ屋敷に 12.3%
- 駐輪場のルールが守られない 11.3%
- 入居者が原因の近隣の苦情 10.2%
- 契約書に書かれていない人が住んでいた 10.2%
- 夜逃げ・失踪 9.2%
- 火事・ボヤ騒ぎ 5.7%
- 駐車場のルールが守られない 5.7%
- 入居者が部屋で孤独死 4.7%
- 入居者が逮捕された 4.6%
- 居住以外の目的で使われた 3.4%
- 入居者が自己破産 2.7%
- その他のトラブル 2.7%
- 入居者が反社会的勢力だった 1.9%
- 入居者が敷地内で自殺 1.9%
トラブルがない大家さんは10人に1人しかいない
アンケートに対して、「該当するものが1つもない」という回答は「11.1%」でした。
つまり、トラブルを体験しないで済んでいる幸せな大家さんは、10人に1人しかいません。
賃貸住宅の経営を、投資として考えるときには、回収率や収益率などの数字を優先してしまいがちです。
しかし、賃貸住宅の経営は、「人」という要素の比重が高く、避けては通れません。
賃貸住宅を経営を検討する際には、「入居者」や「管理会社」という人に関わるリスクがあることを忘れないようにしましょう。