不動産投資オーナーが「民泊」をしたくない理由
[2018/6/18 00:00]
不動産投資サイトでのアンケート
不動産投資サイト「不動産投資スクエア」が、民泊に関するアンケート調査の結果を公開しています。
2018年3月に行なわれたインターネットアンケートには、363人が回答しています。
ここでは、回答者のうち、実際に不動産投資を行なっている「不動産投資オーナー」が、民泊をどう見ているかに絞って紹介します。
民泊に積極的なオーナーは「8%」
「所有する物件を民泊として貸し出したいと思いますか」という質問に対して、「貸し出したいと思う」不動産投資オーナーは8%に留まりました。
「貸し出したいと思わない」が77%、「どちらでもない」が15%です。
不動産投資オーナーの多くは、民泊に参加することに否定的なようです。
民泊に貸し出したい理由
まず、民泊に積極的な不動産投資オーナーが挙げている理由を見てみましょう。
- 人口が減っているのと、阿呆みたいにアパートやマンションを建てたので、入居者を確保するのが非常に困難になっているから。
- 将来賃貸が厳しくなったとき、民泊として貸し出したい。
- インバウンド特需を活用したい。
- 訪日外国人観光客が増えるから。
空き部屋の活用や、外国人観光客の取り込みなど、実利に期待する意見が多いのが特徴です。
民泊に貸し出したくない理由
次に、民泊に消極的なオーナーが「所有する物件を民泊として貸し出したいと思わない」理由を、項目別に挙げてみましょう。
収益への不安
- 「年間180日しか稼働できない」というルールがあるため、マネタイズ(収益化)できるイメージが湧かない。
トラブルへの不安
- ややこしい問題点が発生する危険が増すため。
- 不特定多数への貸し出しはトラブルが多々発生する可能性が高いので対応する時間がもったいない。
- 部屋の清掃や鍵の管理などが煩雑に感じる。室内を汚されたり、犯罪に利用されたりする等のリスクも懸念される。
物件への悪影響
- 物件が荒れるイメージがある。
- 一時的に貸すと雑に扱われ物件が傷むのが早そうだから。
- 部屋の劣化が加速しそうなので、積極的に貸したくない。
居住者への悪影響
- 他の居住者に迷惑がかかる可能性がありお金だけで考えられない。
- 住んでいる周りが非常に迷惑。
イメージが低下する不安
- 現状では民泊のイメージが世間的にあまり良くない。
- 物件の価値が下落しそう。
積極的になるには、「不安」の解消が必要
このアンケートでは、民泊について消極的な不動産投資オーナーが多いことが分かりました。
消極的な理由は、いくつかありますが、ほとんどは「不安」がキーワードとなっています。
民泊新法の施行後に、民泊事業者の間にノウハウが蓄積されて、少しでも不安が解消されることが必要でしょう。