定年後の不安を解消できるという「無料体験学習会」に行ってみた
「定年」についての授業
「老後のことは気になるけれど、何から手を付けて良いのか分からない」という人は多いと思います。
すでに定年が視野に入っている、50代であればなおさらでしょう。
新聞やテレビに載っている情報は、断片的で全体像が見えにくく、かえって不安がつのります。
かといって、「定年」や「年金」などのタイトルが入っている本を買っても、老眼の身では、本を読み通すことすら一苦労です。
「たとえば学校の授業のように、誰かが考えて整理してくれた情報を、順序だって教えてくれないものだろうか」と考えたことはありませんか。
そういう講座があるというので、「無料体験学習会」に参加してみました。
投資信託も株式も、保険も不動産も売らない!?
今回、参加したのは、「ファイナンシャルアカデミー」というスクールです。
念のため書いておくと、ここは資格取得などを目的とする「各種学校」ではありません。あくまでも、知識を得るための「スクール」です。
まぁ、「塾」だと思えば良いでしょう。
このスクールを選んだ理由はホームページ上で、「投資信託も株式も、保険も不動産も売らない」と明言しているからです。
実は、銀行や証券会社の「無料セミナー」に参加すると、後から勧誘の電話がかかってくることがよくあります。
無料セミナーの多くは、営業見込み客の連絡先を集めるための隠れ蓑なのです。
「ファイナンシャルアカデミー」の場合は教育を目的としたスクールですが、本当に営業活動がないのか、その真偽も確かめてみようと思ったのです。
「定年後の不安」を解消できるようになる!?
ファイナンシャルアカデミーの拠点は、いくつかありますが、私が受講した「50代のための定年後設計スクール」の「無料体験学習会」は、新宿本校でのみ開催されていました。
2018年6月現在では、「有楽町校」でも行なわれています。
この講座の目的は、次のように説明されています。
◯定年後の不安を、お金の面から解消します
◯50代限定の超実践的なノウハウをお伝えします
◯先延ばしにしていた定年後対策のスタートのきっかけになります
◯定年後について家族と話し合えるようになります
そして、次のように述べています。
このようなことを、基礎から知ることで、50代の約8割の人が持つ「定年後の不安」を解消できるようになるのでぜひ、受講当日を楽しみにしてお待ちください。
頼もしいほど、自信満々です。
申込み作業はWebとメールで完結
申し込みはWebで行ない、確認はメールが中心です。
入力に必要な情報は、下の画面を見てください。
申し込みに必要なのは、「名前」と「メールアドレス」だけで、「住所」や「電話番号」を入力する必要はありません。
むやみに個人情報を取ろうとしない姿勢は好感が持てます。
申し込みが完了すると、登録完了の確認メールが送られて来ます。
開催日が近づいてくると、さらに「講座開催が近づいて参りました」などと、来場を促すメールが送られてきます。
メールの内容は、日時や場所の確認が中心ですが、こんな注意もあります。
当日の持ち物や服装
- 筆記用具…ノートやペン(黒、赤)など
- 電卓(投資、資産運用関連や経済、会計の講座ではご持参ください)
- 席によって空調に差が出る場合に備えて温度調節のできる服装
単体の電卓は持っていなかったので、念のため100円ショップで買いました。
会場は西新宿の一角
「50代のための定年後設計スクール」の「無料体験学習会」を受講したのは、2017年9月でした。
講義は、午後の2時半~5時半まで3時間ありました。現在は2時間半のコースもあるようです。
その日の会場である「新宿本校」は、西新宿の一角にあるビルでした。
特にチケットなどは用意されておらず、当日に教室で出席を取ります。
席の指定はなかったので、前の方に座りました。
周囲は、50代の男性が多いのですが、夫婦らしいカップルもいます。
内容については、実際に体験してもらったほうが良いと思いますので、ここでは詳しく触れません。
ただ、いろいろな情報をうまく整理してあって、「ああ、今日は勉強したなぁ」という気分になれるだけの内容はありました。
新書1冊分ぐらいの内容をうまくまとめた感じです。
3時間の座学というので、退屈しないかと思っていたのですが、講師の人がうまく、長いとは感じませんでした。
ファイナンシャルアカデミーとしても、「無料体験学習会」は勧誘のためのショウケースとして力を入れるところなので、選りすぐりの優秀な講師をあてているのでしょう。
1つだけテクニックを紹介すると、「はい、では家計から出費を減らすために、どんな方法があるでしょう。隣の人と5分間だけ相談して、答えを出してください」と、いきなり振ってきます。
たまたま隣に座った、見知らぬ人と話すのは敷居が高いものですが、時間が限られていることもあって、「あ、どうもよろしくおねがいします」と挨拶して、相談をまとめねばなりません。
これの周囲と相談するというパターンを「はい、今度は、前後の席の4人で相談してください」などと、何度か入れてきます。
これは、なかなか優れたテクニックです。
授業への参加を促すのに加え、周りの人も同じ勉強をしている仲間だという意識もできます。
このテクニックと、途中休憩があるので、居眠りをしている人は見かけませんでした。
100円ショップで買った電卓も使う機会があったので、モトは取れました。
営業活動しないという約束は守られた
「無料体験学習会」の会場では、ファイナンシャルアカデミーの約束通り、投資などの営業活動はありませんでした。
その後も、それらしい電話や郵便物などは届いていません。
「投資信託も株式も、保険も不動産も売らない」というのは、どうやら本当だったようです。
しかし、世の中で何かの活動を行なうためには、お金が必要です。
ファイナンシャルアカデミーでは、何を財源としているのでしょう。
それは「受講料」です。
「50代のための定年後設計スクール」の受講料は、2018年6月現在で「23万8千円」です。
講師が行なうリアルな授業に参加せず、Webだけで授業を受けると「15万8千円」ですが、それでもなかなか立派な金額だと思います。
しかし、近くに座っていたカップルは、どちらが受講するのか、かなり真剣に検討していました。
少なくとも、無料体験学習会に参加した人の何割かは、スクールを受講することに、その金額に見合う価値を見出したようです。
とりあえず、無料体験学習会はアリ
私自身は、「50代のための定年後設計スクール」を受講するまでには至りませんでした。
しかし、「無料体験学習会」に参加するために、交通費と午後の時間を費やしたことに、後悔はありません。
面白いものを見せてもらって、タダで3時間楽しませてもらったというのが、素直な感想です。
投資への勧誘はありませんし、スクールへの勧誘もきつくないので、「定年」という言葉にモヤモヤしているのであれば、「無料体験学習会」を検討して見ましょう。
同じことを考えて集まってきた人の顔をみて、「ああ、自分だけじゃないんだ」とわかることで気分も変わります。
【お知らせ】この記事は、2017年9月に行なわれた「無料体験学習会」の体験を基に、2018年6月現在の情報で書かれています。最新の情報については、スクールのホームページでご確認ください。