定年前後で、働き方はどう変わるのか
定年をイメージするための数字
サラリーマン人生も定年が見えてくると、選択を迫られます。
特に、定年後の働き方については、会社が規定している制度に縛られるため、自分の希望通りになるとは限りません。
ここでは、政府の統計の1つである「労働力調査」を基にして、定年前後の個人の働き方に、どんな変化が起こるのかを見てみましょう。
定年を過ぎても働いている人は多い
人口に対して、働いている人の割合を「就業率」と言います。
定年前後の就業率の変化を見ると、60歳前後で大きな変化があることが分かります。
男性の場合、50代後半では90%以上の人が働いていますが、60代後半では50%になり、70代前半では30%になります。
女性の場合は、60代前半で50%となり、60代後半で30%になります。70代前半では20%になります。
男女のいずれも、60歳、65歳、70歳、75歳のどこかの時点で、働くのを止めています。
あらかじめ、自分は何歳まで働き続けるのか考えておく必要があります。
働き方が変わる人が多い
もう1つの大きな変化は「雇用形態」です。
日本の会社の8割では、60歳で定年を迎えたあとは、65歳まで「再雇用制度」による非正規雇用となります。
正社員などの「正規雇用」と、契約社員などの「非正規雇用」の割合を見てみましょう。
男性の場合、「45~54歳」では90%以上が正規雇用です。
しかし、「55~64歳」では70%弱に、「65歳以上」では30%弱に減ります。
女性の場合、「45~54歳」でも正規雇用の割合は40%と低いのですが、「55~64歳」では30%台、「65歳以上」では20%台に減ります。
同じ職場で働いていても、自分の身分、収入、仕事の内容が変わることを覚悟しておきましょう。
働かなくなるということは給与がなくなるということ
定年を迎える際の不安は、働き方の変化だけではありません。
まず、「自分が働かなくなる日が来る」が必ず来るということを想像しましょう。
現在の働き方や身分が変わり、やがて現役時代が終わるということが納得できるまで時間がかかることも珍しくありません。
現在の会社以外の場所で働くことを含めて、自分の“仕事”や“居場所”を作ることを考えてみましょう。
また、働かなくなるということは、給与という収入がなくなるということでもあります。
公的年金や退職金などがあるので、収入が途絶えるわけではありませんが、それでも金額は少なくなります。
どんな収入があって、どんな生活を送るのかを想像してみましょう。
それに合わせて、預金、会社の企業年金、個人型確定拠出年金など制度を利用して収入を確保する方法を考えましょう。
【お知らせ】この記事は2018年5月30日に内容を更新しました。