国の調査でわかった、楽しい老後生活のヒント

[2018/6/28 00:00]

国の調査でわかった老後生活のコツ

老後の生活を、日々に満足しながら楽しく送るためには、どうしたら良いのでしょうか。

国が行なった「高齢者の健康に関する調査」の中に、そのヒントがありました。

この調査は、2017年12月から2018年1月にかけて、全国の55歳以上の男女に面接調査を行ない、1,998人から有効回答を得ています。

面接による調査なので、インターネットが使えない年齢の人についても、信頼性の高いデータが得られているのが特徴です。

日常生活に満足している人は9割

まず、回答者全員の日常生活の満足度を見てみましょう。

具体的には、「あなたは、ご自分の日常生活全般について満足していますか」と聞いて、次の5つから回答してもらっています。

  • 満足している
  • まあ満足している
  • やや不満である
  • 不満である
  • わからない
出典:内閣府

回答を見ると、「満足している」と「まあ満足している」を合わせると、89%に達しています。

つまり、回答者の約9割は、現在の日常生活に満足しています。

一方、「やや不満である」と「不満である」を合わせると11%でした。

回答者の約1割は、現在の日常生活に満足しておらず、不満を抱いています。

「健康状態」が大きく影響する

ここからは、日常生活が不満であると回答している人の割合が高い属性を探してみます。

真っ先に目についたのは「健康状態」でした。

健康状態が「あまり良くない」と29%、「良くない」だと56%の人が、「日常生活が不満である」としています。

自分の「健康状態」は、日常生活の満足度に深く影響していることが分かりました。

出典:データを基に編集部が作成

「月収」も大きく影響する

「月収」も日常生活の満足度に影響します。

月収が「5万円未満」だと、26%の人が「日常生活が不満である」と回答しています。

しかし、月収が増えるにつれて、日常生活に不満を感じている人は少なくなります。

そして、「30万円以上」になると、不満を感じている人は10%を切ります。

出典:データを基に編集部が作成

「結婚」経験の有無が影響する

「結婚」の経験があると、人生に対する不満が減ります。

つまり、男女とも「未婚」であると、日常生活に不満を抱きやすいという傾向があります。

そして、配偶者と死別した場合、男性は日常生活に不満を抱きやすいようです。

しかし、同じように配偶者と死別した場合でも、女性は「配偶者あり」や「離別(離婚)」とあまり差がありません。

死別した場合のダメージには、大きな男女差があるようです。

出典:データを基に編集部が作成

男性は「一人暮らし」で不幸になる

最後に、もう1つ見てみましょう。

これは男性限定なのですが、「世帯構成」によって、日常生活への不満度が大きく変わります。

男性の場合「単身世帯」、つまり「一人暮らし」をしていると、日常生活への不満が高くなる傾向があります。

だれかと同居していれば、不満度が下がります。この場合、同居相手は配偶者でなくても大丈夫です。

一方、女性の場合、世帯構成による不満度の差は大きくありません。

出典:データを基に編集部が作成

「健康」「お金」「人間関係」が大切

日常生活の満足度は、「健康」「月収(収入)」「結婚」の3つに大きく左右されていることが分かりました。

さらに、男性の場合は、一人暮らしをしていると日常生活への不満が大きくなる傾向があります。

これ以外の要素、例えば「住んでいる街の大きさ」「地域」「学歴」「仕事の有無」などは、思ったほど影響していません。

老後の生活の満足度を上げたいならば、「健康」と「お金」に留意し、結婚や同居などの「人間関係を絶やさないようにすることを心がけましょう。

[シニアガイド編集部]