国民年金の保険料の納付率は66.3%。財産差し押さえは1万4千件
国民年金の保険料の納付率は66.3%
厚労省は、平成29年度(2017年度)の国民年金の年金保険料の納付率が、「66.3%」だったと発表しました。
これは、昨年の65.0%より、1.3%増加しました。
国民年金保険料の納付率は、1991年の「85.7%」をピークに、2011年には「58.6%」まで下がりました。
しかし、その後の制度の改善などもあって、最近は6年連続で上昇が続いています。
若い人ほどは納付率が低い
納付率を年齢別にみると、「20代後半」が一番低く、年令が高くなるにつれて納付率が上がります。
納付率1位は「島根」、最下位は「沖縄」
また、納付率を都道府県別にみると、上位は次の3県です。
- 島根 80.57%
- 富山 78.68%
- 新潟 78.61%
逆に納付率が低いのは、次の3県です。
- 沖縄 49.14%
- 大阪 56.68%
- 東京 62.39%
最終的な納付率は「73%」
国民年金の保険料の納付期限は2年以内で、それを過ぎると時効によって納付できなくなります。
今年度に時効を迎えた、「平成27年度」分についてみると、当初の納付率は63.39%でしたが、追加で納付された分が加わり、「最終納付率」は73.14%となりました。
2年間の督促により、10%近くが納付されたことになります。
国民年金の徴収は、年々厳しさを増しています。
平成29年度には、66,270件の督促状が送られ、14,344件の財産差し押さえが行なわれました。
未納のまま放置せず、「免除」や「特例」などの利用を検討しましょう。
制度全体から見ると、90%以上の人は保険料を払っている
「国民年金の納付率が66.3%」と聞くと、「国民全体の30%以上が年金保険料を納めていない」と誤解しがちです。
「そんなに、納めていない人が多いのならば、自分も納めるのを止めよう」と思う人もいるでしょう。
しかし、ここで見ているのは、自営業や学生などの「国民年金第1号被保険者」の納付率であって、給与から天引きされている「第2号」や「第3号」については、納付率はほぼ100%です。
年金保険料が未納の人を人数で言うと「157万人」です。
6千万人を超える制度全体から見ると、未納の人は2.3%に過ぎません。
66.3%という数字に惑わされないように、ご注意ください。