仕事の時間や内容が変わらなくても、年収は減ることが多い「継続雇用」
60代前半に聞いた「継続雇用」の調査
シンクタンクの明治安田生活福祉研究所が「継続雇用」に関する調査結果を公開しています。
ここで紹介するのは、2018年2月にインターネット経由で行なわれた大規模な調査の一部です。
「継続雇用」については、60代前半で仕事に就いている男性1,000人の回答をベースにしています。
「継続雇用」を選ぶ人が多い
60代の男性有職者の働き方を見ると、その3分の2は「継続雇用」でした。
次の「再就職」が3分の1で、この2つでほとんどを占めています。
定年後に「起業」する人は5%ほどに留まっています。
勤務時間は、あまり変わらない
継続雇用後の勤務時間は、「定年直前と変わらない」が、50%を超えています。
勤務時間が短くなった人でも「定年直前の75~100%未満」が多く、定年前とほぼ同じぐらい働いている人が多いようです。
仕事の内容も変わらない
継続雇用になってからの仕事の内容は、「定年前とまったく変化がなかった」が多く、「少し変化があった」を加えると、70%を超えます。
7割以上の人が、継続雇用後も、それ以前と同じ内容の仕事をしていることが分かります。
しかし、年収は減る
継続雇用後の年収は、「50~75%未満」と「75~100%未満」が多く、定年前よりも減った人の方が多くなっています。
「定年直前と変わらない」は6.9%、「定年前よりも増えた」は1.4%に留まっています。
幸せな「継続雇用」の選び方
ここまでの結果を見ると、継続雇用になっても、「労働時間」と「仕事の内容」については、定年前とあまり変わりません。
しかし、「年収」については、定年前よりも減ることを覚悟しておきましょう。
もう1つ覚えておきたいのは、継続雇用後の仕事の選び方です。
この調査では、継続雇用後の仕事へのモチベーションも調べています。
それによれば「労働時間」や「仕事の内容」、そして「年収」の3つの環境について、変化が小さいほど、仕事に対するモチベーションが高いという結果が出ています。
継続雇用を選ぶときは、自分の知識や経験を活かすことを優先して、「定年前とできるだけ近い仕事を選ぶ」方が、幸福な選択である可能性が高いことを覚えておきましょう。
その上で、年収の減少が少なければ、恵まれた環境と言えるでしょう。