非正規雇用の割合が高い県、低い県
働いている人の4割が「非正規雇用」
正社員のように期間を限定しない契約を「正規雇用」、それ以外のパートやアルバイト、契約社員などを「非正規雇用」と言います。
総務省の「就業構造基本調査」によれば、日本の非正規雇用者の割合は「38.2%」でした。
働いている人の4割近くを占めるのに「非正規」というのも、ふしぎな表現ではあります。
この記事では、「就業構造基本調査」を基にして、「非正規雇用」のいくつかの特徴を紹介します。
非正規雇用が多い県、少ない県
さきほど見たように、日本全体の非正規雇用の割合は「38.2%」ですが、都道府県によって大きな差があります。
非正規雇用率が低いのは「徳島」で32.6%、そして「山形」や「富山」が続きます。
逆に、非正規雇用率が高いのは「沖縄」で43.1%です。
「京都」と「奈良」も、非正規雇用率が高い府県です。
一番高い「沖縄」を一番低い「徳島」と比べると10%以上も差があります。
全都道府県の非正規雇用率の一覧は、記事の最後に掲載しています。
「都合の良い時間に働きたい」から非正規を選ぶ
非正規雇用で働いている理由を聞くと、一番多いのが「都合の良い時間に働きたい」でした。
次が「家計の補助/学費などを得たい」です。
「正規の仕事がないから」という人も12%います。
東北地方は「正規の仕事」がないからを挙げる人が多い
非正規雇用で働いている理由に「正規の仕事がないから」を挙げている人の割合は、都道府県によって大きな差があります。
例えば、「岐阜」は9.4%で、「広島」と「富山」も10%を切っています。
特に「富山」は非正規雇用自体が少ない上に、「正規の仕事がないから」を挙げる人も少なく、正規雇用で働く機会が多いことが想像できます。
一方、「青森」は16.9%で、「秋田」「福島」「山形」など、東北地方は16%を越える県が並びます。
特徴が多い「青森」
特に「青森」は、非正規雇用で働く理由が、他の県とは大きく異なっています。
全国と並べたグラフを作ってみました。
全国では「都合の良い時間に働きたい」が一番多いのですが、青森では「家計の補助/学費などを得たい」の方が多くなっています。
「都合の良い時間に働きたい」の方が少ないのは、全国で青森だけです。
また、さきほど見たように「正規の仕事がないから」という回答が、全国よりも多く、厳しい就職状況が伺えます。
このように、非正規雇用の状況を見ると、その都道府県の就職状況がよく分かります。
地方への移住などを考える場合は、その土地の気候風土だけではなく、このような情報も含めて検討しましょう。
付録:都道府県別の非正規雇用率
- 全国 38.2%
- 北海道 40.6%
- 青森県 35.3%
- 岩手県 35.7%
- 宮城県 36.5%
- 秋田県 36.1%
- 山形県 32.8%
- 福島県 35.0%
- 茨城県 38.5%
- 栃木県 38.9%
- 群馬県 39.6%
- 埼玉県 40.1%
- 千葉県 39.7%
- 東京都 35.1%
- 神奈川県 39.7%
- 新潟県 34.9%
- 富山県 33.1%
- 石川県 35.3%
- 福井県 34.6%
- 山梨県 40.8%
- 長野県 37.6%
- 岐阜県 38.6%
- 静岡県 38.9%
- 愛知県 37.5%
- 三重県 39.2%
- 滋賀県 40.6%
- 京都府 42.5%
- 大阪府 40.3%
- 兵庫県 39.5%
- 奈良県 41.1%
- 和歌山県 39.3%
- 鳥取県 35.5%
- 島根県 36.0%
- 岡山県 35.2%
- 広島県 37.3%
- 山口県 37.5%
- 徳島県 32.6%
- 香川県 34.5%
- 愛媛県 36.0%
- 高知県 35.3%
- 福岡県 40.0%
- 佐賀県 35.9%
- 長崎県 37.6%
- 熊本県 36.6%
- 大分県 35.8%
- 宮崎県 38.0%
- 鹿児島県 40.3%
- 沖縄県 43.1%