最終的には何十万円も損をする「情報商材」商法の怖さ
「情報商材」への警告
国民生活センターが、「情報商材」に関するトラブルを警告しています。
「情報商材」とは、主にインターネットで販売される“情報”です。
その内容は、「副業や投資、ギャンブル等で高額収入を得るためのノウハウ」など、射幸心を煽るものが中心です。
「情報商材は」PDFファイルで取引されることが多いのですが、動画やアプリ、DVDなどの形で提供する業者もあります。
「情報商材」は撒き餌
情報商材の最初の問題は、質の低い情報を高額で売りつけられることです。
さらに、情報商材をきっかけに、高額なコンサルティングやビジネスセミナーなどを契約させられて、何十万円もの金額を請求される可能性があります。
つまり、情報商材は撒き餌で、それを購入した人に高額な契約を持ちかけることが最終的な目的です。
実際に寄せられた「情報商材」に関する相談内容を2つ見てみましょう。
実例1:高額な契約を強要
SNSで友達登録した人から1日10万円稼げる副業というメールが送られてきた。
ホームページを作りアクセスを増やすことで誰でも簡単に稼げると書いてあったので興味を持ち、インターネット上でデビットカードを使い1万円で情報商材を購入した。
その後、事業者から電話相談の予約をするよう催促され、電話予約フォームで予約した日に業者から電話があり、アクセス数を増加させるツール等を90万円で契約するように勧められた。
自分はお金が無いので数万円のコースがいいと言ったが、「みんな90万円のコースを選んでいる。途中でやめても返金できる」と言われたので、事業者を信じてクレジットカードで決済した。
さらに後日、事業者から電話があり、作業が進まないので新たな契約をするよう勧誘された。
お金が無いと断ろうとしたが、前回契約した90万円の代金を一部免除するので、新たに約85万円の契約をするように威圧的に迫られ、断りきれずに契約し現金で支払った。
しかし、命がけでサポートすると記載があったのに実際はサポートが無く、言われた通りにツールを使って作業をしたのに儲からないので、事業者に解約と返金を求めたが断られた。
(20代女性)
実例2:価値が無かったFXの情報商材
SNSで毎月高額な利益を得られるFXの情報商材や指導の宣伝をしていた。
月利50%で月あたり20~30万円稼いでいるという動画広告もあった。
無料セミナーはビルの会議室で行われた。簡単に誰でも利益を得られると強調され、今日なら100万円が約40万円と言われ、コンサルティング委託契約書を交わした。後日代金を指定口座に振り込んだ。情報商材をダウンロードし、助言を受けながら行ったが、結果が出なかった。
すると、当該事業者のサイトで月利100%の「特進コース」があると知り、指定されたホテルの喫茶店で話を聞いて、今日しか契約できないと言われ、110万をクレジットカードで契約した。50万円は一括払いで、60万円は毎月5,000円のリボ払いである。
SNSで教材が配信されたり、動画で受講するシステムだが、内容は極めて一般的なもので価値を見いだせない。
(30代男性)
エスカレートする前に撤退を
国民生活センターでは、「情報商材」について、次のアドバイスをしています。
- 情報商材は契約前に中身を確かめることができない。怪しいと思ったら連絡しない
- 高額な契約を勧誘されたり、話が違うと思ったら、きっぱりと契約を断る
- クレジットカードでの高額決済や借金をしてまで契約しない
- 不安に思った場合やトラブルになった場合は消費生活センター等に相談する
うっかり、情報商材にひっかかってしまうと、それを取り戻すために、高額な商材やサービスに飛びつきやすくなります。
「これ以上は危ない」と感じたら、多少の損はあっても、撤退する勇気を持ちましょう。