男性が陥りやすい、あいさつを含めても「2週間に1回以下しか会話がない人」
人とのつながりについての意識調査
国の研究機関である社会保障・人口問題研究所が「生活と支え合いに関する調査」の結果を公開しています。
この調査は約2万人を対象に、調査票を配布する形で行なわれた大規模なもので、19,800人の有効回答を得ています。
ここでは、「2週間に1回以下しか会話がない人」に注目して、その結果を見てみましょう。
会話が「2週間に1回以下」という人が2.2%もいる
この調査では、人とのつながりの状況を見るために、あいさつや世間話などの会話の頻度を聞いています。
一番多いのは「毎日」会話をする人で、90%を超えています。
一方で、一番会話が少ない「2週間に1回以下」という人も2.2%います。
これだけ会話が少ないと、日常的な人とのつながりがほとんど無いことになります。
男性は齢を取ると会話が少なくなる
会話の頻度が「2週間に1回以下」の人を、性/年代別に見てみましょう。
どの年代を見ても、男性の方が、女性より多いことが分かります。
さらに、男性は40代以降に会話が少なくなり、70代では「4.9%」の人が「2週間に1回以下」しか会話がない状況になります。
一人暮らしの男性高齢者に多い
世帯の形を見ると、一人暮らしの人に、会話が「2週間に1回以下」の人が多いことが分かります。
特に、65歳以上の高齢男性世帯に多く、「15.0%」の人が該当します。
同じ、高齢者の一人暮らしでも、女性は「5.7%」ですから、3倍近い差があります。
収入が少ないと会話が少なくなる
調査対象者の収入を10段階に分け、各階層別に、会話が「2週間に1回以下」の人の割合を見ています。
下のグラフでは、右に行くほど収入が高くなります。
すると、収入が少ない人ほど、会話が少ない傾向がはっきりします。
収入があるということは、なんらかの社会的活動があるということです。また消費の機会も多いので、人との会話が増えるでしょう。
毎日のあいさつを意識して増やそう
ここまで見てきたように、「2週間に1回以下」しか会話がない人は、「男性」の方が多く、「一人暮らし」で、「収入が少ない」という特徴があります。
会話が少ないということは、社会的なつながりが少ないということであり、病気や介護などの生活上の危機の際にも、人の手が借りられないことにつながります。
恐ろしいことに、夫婦2人暮らしなのに、「2週間に1回以下」しか会話がない高齢者も「2.3%」います。ただ同居しているだけで、配偶者との会話がまったくない状況なのでしょう。
家族を始めとする、自分の周囲の人との社会的なつながりを意識して、毎日のあいさつや会話を増やすことから始めましょう。