男性が陥りやすい、あいさつを含めても「2週間に1回以下しか会話がない人」

[2018/8/20 00:00]

人とのつながりについての意識調査

国の研究機関である社会保障・人口問題研究所が「生活と支え合いに関する調査」の結果を公開しています。

この調査は約2万人を対象に、調査票を配布する形で行なわれた大規模なもので、19,800人の有効回答を得ています。

ここでは、「2週間に1回以下しか会話がない人」に注目して、その結果を見てみましょう。

会話が「2週間に1回以下」という人が2.2%もいる

この調査では、人とのつながりの状況を見るために、あいさつや世間話などの会話の頻度を聞いています。

一番多いのは「毎日」会話をする人で、90%を超えています。

一方で、一番会話が少ない「2週間に1回以下」という人も2.2%います。

これだけ会話が少ないと、日常的な人とのつながりがほとんど無いことになります。

出典:データを基に編集部が作成

男性は齢を取ると会話が少なくなる

会話の頻度が「2週間に1回以下」の人を、性/年代別に見てみましょう。

どの年代を見ても、男性の方が、女性より多いことが分かります。

さらに、男性は40代以降に会話が少なくなり、70代では「4.9%」の人が「2週間に1回以下」しか会話がない状況になります。

出典:データを基に編集部が作成

一人暮らしの男性高齢者に多い

世帯の形を見ると、一人暮らしの人に、会話が「2週間に1回以下」の人が多いことが分かります。

特に、65歳以上の高齢男性世帯に多く、「15.0%」の人が該当します。

同じ、高齢者の一人暮らしでも、女性は「5.7%」ですから、3倍近い差があります。

出典:データを基に編集部が作成

収入が少ないと会話が少なくなる

調査対象者の収入を10段階に分け、各階層別に、会話が「2週間に1回以下」の人の割合を見ています。

下のグラフでは、右に行くほど収入が高くなります。

すると、収入が少ない人ほど、会話が少ない傾向がはっきりします。

収入があるということは、なんらかの社会的活動があるということです。また消費の機会も多いので、人との会話が増えるでしょう。

出典:データを基に編集部が作成

毎日のあいさつを意識して増やそう

ここまで見てきたように、「2週間に1回以下」しか会話がない人は、「男性」の方が多く、「一人暮らし」で、「収入が少ない」という特徴があります。

会話が少ないということは、社会的なつながりが少ないということであり、病気や介護などの生活上の危機の際にも、人の手が借りられないことにつながります。

恐ろしいことに、夫婦2人暮らしなのに、「2週間に1回以下」しか会話がない高齢者も「2.3%」います。ただ同居しているだけで、配偶者との会話がまったくない状況なのでしょう。

家族を始めとする、自分の周囲の人との社会的なつながりを意識して、毎日のあいさつや会話を増やすことから始めましょう。

[シニアガイド編集部]