「家族/親族」以外の人に頼めることと頼めないこと
人と人との関係性の調査
家族や親族には、相談できても、職場の人や近所の人には相談できないということがあります。
例えば、「お金」に絡む問題がそうですし、子供や家族の看病や介護なども家族以外には頼めないという人も多いでしょう。
ここでは、国の研究機関である社会保障・人口問題研究所の調査結果をもとにして、「人に頼めることと頼めないこと」の境界を考えます。
喜びや悲しみは分かち合えても、お金の話は人には頼みにくい
この調査では、9つの項目について、「頼れる人がいるかどうか」を聞いています。
例えば、「喜びや悲しみを分かち合う人」が「いる」人は91.6%います。
しかし、「家を借りるときの保証人」を頼める人は58.5%しかいません。
さらに「成年後見人/保佐人を頼める人」は、43.4%と半分になってしまいます。
そして、「成年後見人/保佐人」については、頼める人が「いない」が23.2%、「その件については人に頼みたくない」が33.4%もいます。
「成年後見人/保佐人」は、人に頼みにくい事柄であることが分かります。
あなたも、どの項目なら、頼める人がいるか考えてみてください。
頼れるのは「家族/親族」と思っている人が多い
「頼れる人」とは、具体的には、誰を指すのでしょう。
もう少し、詳しく、本人と頼れる人との間柄を見ていきましょう。
例えば、「家族/親族」の場合、多くの項目で「頼れる人」とされています。
「重要な事項の相談」や「喜びや悲しみを分かち合う」、「日頃のちょっとしたことの手助け」などでは、「家族/親族」に頼るという人が8割を超えます。
人には頼みにくい「成年後見人/保佐人」でも、「家族/親族」ならば頼れると考えている人の方が多いのです。
「友人/知人」とは感情の共有ができる
これが、「友人/知人」になると、頼れる項目が少なくなります。
「友人/知人」を頼りにしている項目は、「愚痴を聞いてくれる」や「喜びや悲しみを分かち合う」が多くなっています。
感情を共有し、慰めてくれることでは「友人/知人」を当てにしている人が多いのです。
しかし、子供の世話や看病、お金に関することなど深刻な問題では、頼りにくいことが分かります。
「職場の人」に期待するのは「愚痴を聞いてくれる」
相手が「職場の人」、つまり上司や同僚は、「友人/知人」に近い印象です。
「愚痴を聞いてくれる」や「喜びや悲しみを分かち合う」が多い一方で、お金関係や介護/看病などでは頼りにしている人は多くありません。
「近所の人」に期待するのは「ちょっとした手助け」
最後に「近所の人」を見てみましょう。
「近所の人」に頼れるとしていることは、「日頃のちょっとした手助け」です。
「愚痴を聞いてくれる」や「喜びや悲しみを分かち合う」も少なく、感情を共有するというよりは、ちょっとした手助けをしあうぐらいの関係です。
ただし、これは、住んでいる場所や土地柄によって大きく異なるでしょう。
今回はランダムに選ばれた地域の、約2万人を対象にした調査結果ですが、住んでいる自治体の人口などを考慮して調査を行なうと面白い結果が期待できそうです。