転職に収入の増加を期待して良いのは、何歳までか

[2018/8/28 00:00]

転職したら「収入」も増やしたい

転職をする理由の1つに「収入の増加」があります。

しかし、年齢が若く将来性がある場合は、転職先の収入も高くなりますが、ある程度以上の年齢になったら、現在の収入を上回ることは難しいでしょう。

同じ会社に勤め続けている人の給与が上がるのは、過去の会社への貢献などが評価されているからです。

他の会社に移った場合は、過去の貢献が無いので、その分、収入が減ってしまうわけです。

では、何歳ぐらいまでは転職の際に収入が上がることを求めても良いのでしょうか。

厚労省が公開した「平成29年雇用動向調査結果の概要」というデータをもとに、グラフ化してみました。

収入が増えることを期待して良いのは「40代」まで

いきなり結果から見てみましょう。

グラフを見ると、転職して「収入が増えた人」が、「収入が減った人」よりも多いのは、40代までです。

しかも、30代までは「収入が増えた人」の割合が高いのに対して、40代以降は「収入が減った人」とあまり差がありません。

収入の増加を目的に転職するのであれば、できれば30代、ギリギリでも40代が目安となることが分かります。

出典:データを基に編集部が作成

収入が不満で転職する人は30歳前後が多い

次に、転職の理由として「収入が少ない」を挙げた人の割合を見てみましょう。

男女とも、20代後半から30代前半がピークになっています。

そして、いったん、収入を理由にする人の割合は減りますが、男性の場合は40代後半から50代前半にかけて増加します。

この年代は役職につけるかどうかや、いったんポストについても役職定年で給与が下がるなど、収入の上がり下がりの要素が多いので、不満がたまりやすいのでしょう。

出典:データを基に編集部が作成

最後に、年代別の転職率を見てみましょう。

男女とも、20代が転職のピークで、30代からは転職率が下がります。

30代に入ると、職場での地位も確立され、多少の不満はあっても、同じ職場に勤め続ける人が多いのでしょう。

40代、50代と転職率は下がります。

いろいろ不満はあっても、過去の貢献分などを考えると、実際には転職に踏み切れる人が少ないことがわかります。

そして、定年を迎えた後の60代にふたたび転職率が上がります。

出典:データを基に編集部が作成

こうして年代別に見ると、20代後半と60代以降が転職をしやすいタイミングと言えるでしょう。

ただし、20代の転職は「収入が上がる」可能性が高く、60代の転職は「収入が下がる」可能性が高いことを忘れてはいけません。

転職を考える際は、自分の年齢や状況を理解し、譲れる条件と譲れない条件の区別を、よく考えておきましょう。

[シニアガイド編集部]