生活の中で満足度が低い分野は「資産/貯蓄」

[2018/8/29 00:00]

政府による「暮らし向き」の調査

政府による「国民生活に関する世論調査」の結果が出ています。

この調査は全国の1万人を対象に面接で行なわれた大規模なもので、最終的に5,969人から回答を得ています。

調査内容は「暮らし向き」に関するものが中心ですが、ここでは「生活上で不満を感じている分野」に絞って見ていきましょう。

満足度が低い「資産/貯蓄」

この調査では、生活を次の7つの面に分けて満足度を聞いています。

  • 「所得/収入」
  • 「資産/貯蓄」
  • 「耐久消費財」
  • 「食生活」
  • 「住生活」
  • 「自己啓発・能力向上」
  • 「レジャ-・余暇生活」

このうち、「満足している」と「まあ満足している」の合計が50%を切っているのは、「資産/貯蓄」だけでした。

この分野は、過去の調査でも満足度が低く、データのある1992年以来、一度も50%を超えたことがありません。

やはり、自分が満足できるだけの資産を持ったり、貯金をすることは、難しいことなのです。

出典:データを基に編集部が作成

女性の方が「資産/貯蓄」をうまくやっている?

「資産/貯蓄」への満足度を、性別と年齢別に見てみましょう。

性別では、「20代」を除いて「女性」の方が満足度が高くなっています。

特に「70代以上」では満足度が高く、「51.7%」と、唯一50%を超えています。

この調査では、どうして70代女性の満足度が高いのかは、わかりません。

例えば、「ある程度の資産形成ができている」「先々の生活費の見通しが見えている」などの理由が考えられます。

出典:データを基に編集部が作成

明日のことより、現在が大事

もう1つ、「資産/貯蓄」への満足度が上がる理由があります。

『今後の生活において、「貯蓄や投資など将来に備える」か、「毎日の生活を充実させて楽しむ」ことに力を入れたいと思うか』という質問にヒントがあります。

年齢別の回答を見ると、年齢が上がるにつれて、将来のことよりも毎日の生活の充実を重視する人が多くなります。

特に、60歳を過ぎると、7割以上の人が「毎日の生活を充実させて楽しむ」としています。

つまり、60代になると、生活を考える際の視点が、将来から現在へ移っているので、将来に備えた「資産/貯蓄」の現状に不満を抱くことが少なくなるのでしょう。

逆に言えば、「資産/貯蓄」は、将来のことを考える余裕がある、30代から50代のうちに考えておかなければならない課題なのでしょう。

出典:データを基に編集部が作成
[シニアガイド編集部]