認知症による事故への対応を広げた自動車保険

[2018/9/11 00:00]

認知症による事故に対応

三井住友海上火災保険と、あいおいニッセイ同和損害保険は、認知症による事故への対応を広げた自動車保険を2019年1月から提供すると発表しました。

両社が属するMS&ADインシュアランス グループが発表したもので、認知症による運転事故の増加に対応したものです。

運転手の状態に関わらず被害者を救済

自動車保険に「心神喪失等による事故の被害者救済費用特約」が新設されます。

これまでの自動車保険では、交通事故を起こした運転手に責任能力がなく、監督義務者がいない場合などには保険金が出ませんでした。

そのため、運転者の責任能力の有無が問題になったり、運転者の家族が監督義務者として賠償責任を問われることがありました。

事故の被害者から見ると、保険金が出なかったり、賠償責任が確定するまで時間がかかる場合があって、一般の交通事故のようなすみやかな保障が受けられませんでした。

今回の特約では、運転者に責任能力がない場合や、監督義務者がない場合でも、保険金が出ます。

被害者にとっては、運転者の状態によって、保険金が支払われないということが無くなり、早期の救済につながります。

出典:MS&ADインシュアランス グループ

踏切事故など鉄道関係もカバー

もう1つは自動車保険の「日常生活賠償特約」に「電車等運行不能賠償特約」が追加されました。

日常生活賠償特約は、交通事故以外の日常生活で起きた事故や被害に保険金が出るものです。

今回の「電車等運行不能賠償特約」では、「電車等の運行不能によって生じた損害賠償席に人」が対象となります。

例えば、認知症による踏切事故で電車を止めてしまい、その損害を請求された場合に、保険金が支払われます。

従来の「日常生活賠償特約」でも、電車自体が損害を受けた場合には対象となりますが、電車に損害がなく、遅延だけが発生した場合には対象となっていませんでした。

同じ特約は、対物賠償保険にも追加されます。

出典:MS&ADインシュアランス グループ

危ないと思ったら運転しないことが前提

今回の自動車保険の認知症への対応の拡大は、認知症による交通事故や鉄道事故が、増加している状況を受けたものです。

これらの特約により、これまで問題となっていた、被害者への保険金支払や、家族が起こした鉄道事故による巨額の賠償などの問題が一部解消されます。

しかし、特約に入ったからと行って、認知症の危険があるのに自動車の運転を続けて良いというものではありません。

危険があれば、運転を取りやめたり、運転免許証を返上するなどの対策が大事であることは変わりません。

あくまでも転ばぬ先の杖として、検討すべき特約といえるでしょう。

[シニアガイド編集部]